症例40
年齢 | 50歳代 | |||
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現病歴 | 貧血を指摘され来院し、血小板減少、白血球増加を精査するため骨髄穿刺が施行された. | |||
血液学所見 | WBC(/μl) | 14,500 | RBC(万/μl) | 286 |
Hb(g/dl) | 10.2 | Ht(%) | 25.6 | |
PLT(万/μl) | 4.4 | MCV(fl) | 89.5 | |
MCH(pg) | 35.6 | MCHC(%) | 39.8 | |
血液像(%) | Ly様 | 75 | ||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 16.2 | BM-MgK | 6.25 |
Ly様(%) | 84.0 | |||
生化学所見 | LDH 690 IU/l, 血清Ca 15.6 mg/dl | |||
表面形質 | CD38、cIg (+) |
[末梢血×1000.MG染色] 二核のリンパ球系細胞がみられる. 拡大して解説を見る |
[骨髄×400.MG染色] 核形不整で核偏在性の細胞が増加している. 拡大して見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 核には分葉傾向がみられる. 拡大して解説を見る |
[骨髄×1000.MG染色] 核形不整や分葉傾向の強い細胞は好塩基性の細胞質がみられる. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×1000.MG染色] なかには大型で核分葉の細胞がみられる. 拡大して解説を見る |
正解 : 5 形質細胞性白血病(PCL)
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年齢 | 50歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 白血球増加(14,500/μl)の血液像にてリンパ球系細胞が75%(10,875/μl)と増加している. 核偏在性のなかに二核のものがみられる. |
骨髄所見から | 骨髄では細胞径15μm大の核形不整、核分葉傾向のリンパ系細胞が増加している. それらは、全般に好塩基性の細胞質に核の偏在がみられることより形質細胞が考えられる.通常の多発性骨髄腫に比べ異なる形態を示すものが多い. |
細胞化学所見から | リンパ球系細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性である. |
【形態診断】 | 末梢血、骨髄に増加する形質細胞は核形不整が強く分葉傾向を呈する. 末梢血に形質細胞が20%以上みられることより形質細胞性白血病(PCL)を考えた. |
〜後発信〜 | |
表面形質から | CD38、cIg (+) |
【臨床診断】 | 多発性骨髄腫に比べ、臨床的には骨病変やそれによる痛みも少なく、双方共に高カルシウム血症や腎不全がみられた. 形質細胞の増加と単クローン性の細胞質内免疫グロブリン(cIg)とCD38が陽性よりPCLと診断された. |
WHO分類 | 成熟B細胞性腫瘍 Mature B-cell neoplasms ☆形質細胞骨髄腫 Plasma cell myeloma [特殊な病型] 形質細胞性白血病 Plasma cell leukemia (PCL) |