症例38
年齢 | 60歳代 | |||
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現病歴 | 腰痛にて来院し、血液検査にて貧血を指摘される. 精査のため骨髄検査が施行された. |
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血液学所見 | WBC(/μl) | 2,830 | RBC(万/μl) | 263 |
Hb(g/dl) | 9.4 | Ht(%) | 24.5 | |
PLT(万/μl) | 15.9 | MCV(fl) | 93.1 | |
MCH(pg) | 35.7 | MCHC(%) | 38.3 | |
血液像(%) | St-Seg 23, Ly 74,Mo 3 | |||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 19.4 | Mgk(/μl) | 45.0 |
Abnormal ly | 52% | |||
生化学所見 | LDH 216 IU/l, Ca 8.9 mg/dl, TP 10.9 g/dl |
[骨髄×400.MG染色] 好塩基性の細胞質に核偏在があり、なかには多核のものがみられる. 拡大して見る |
[骨髄×1000.MG染色] 大型で多核のものがみられる. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 好塩基性の細胞質は核偏在性で核の周辺が明るくみられる. 拡大して解説を見る |
[骨髄×1000.MG染色] 大型のものは核形不整もみられる. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×1000.PAS染色(左)、ACP染色 ] 核偏在を呈する細胞はPAS染色に陰性で、ACP染色 に陽性である. 拡大して解説を見る |
正解 : 4 形質細胞骨髄腫(PCM)
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年齢 | 60歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 白血球(2,830/μl)の分類にてリンパ球は74%(2,094/μl)であり、形態学的異常はみられない. 赤血球に連銭形成の異常がみられる. |
骨髄所見から | 骨髄は単核から多核の形質細胞の増加(52%)がみられる. |
細胞化学所見から | 形質細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性である. |
【形態診断】 | 形質細胞が骨髄にて10%以上(実際は52%)より多発性骨髄腫を考えた. |
〜後発信〜 | |
免疫血清所見から | IgG 10,000mg/dl, λ型 |
【臨床診断】 | 光顕的、免疫血清検査の所見から多発性骨髄腫(IgG、λ)と診断された. 治療はVAD療法が施行されたが、入院38ヶ月後腫瘍死にて他界される. |
WHO分類 | 成熟B細胞性腫瘍 Mature B-cell neoplasms ☆形質細胞骨髄腫 Plasma cell myeloma (IgG,λ型) |