症例30
年齢 | 60歳代 | |||
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現病歴 | 発熱、倦怠感あり、血液検査にて血球減少症を指摘され入院となる. | |||
経過 | 血液検査にて白血病と診断後、JALSG-ALL97にて治療される.開始6ヶ月後に敗血症を併発し死亡される. | |||
血液学所見 | WBC(/μl) | 7,100 | RBC(万/μl) | 309 |
Hb(g/dl) | 9.3 | Ht(%) | 29.6 | |
PLT(万/μl) | 9.6 | MCV(fl) | 95.7 | |
MCH(pg) | 30.0 | MCHC(%) | 31.4 | |
血液像(%) | Blast 2.0,St-Seg 29.5, Ly 65.0 | |||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 58.0 | Mgk(/μl) | 18.75 |
Blast様(%) | 96.4 | |||
生化学所見 | LDH 564 IU/l、CRP 0.39 mg/dl | |||
染色体所見 | 27,X,+X,+6,+10,21(16/20) 54,XX,+X,+,X+6,+6,+10,+10,+21,;21(2/20) 46,XX (2/20) |
[骨髄×400.MG染色] 大型でN/C比が低い芽球様細胞の増加がみられる. 拡大して見る |
[骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞のクロマチンは粗網状で明瞭な核小体や一部に核形不整がみられる. 拡大して見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 大型で豊富な細胞質を有する芽球様細胞は明瞭な核小体がみられる. 拡大して見る |
[骨髄×1000.PO染色] 芽球様細胞はPO染色に陰性である. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×400.EST染色] 芽球様細胞はEST染色に陰性である. 拡大して解説を見る |
正解 : 3 前駆B細胞性リンパ芽球性白血病(PBLL)
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年齢 | 60歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 二血球減少と白血球 (7,010/μl)の分類にて芽球様細胞は2%みられた. |
骨髄所見から | 骨髄は過形成で、芽球様細胞は大型で、N/C比は低く、核形不整は弱く、クロマチンは粗網状で、著明な核小体を有するものが多くみられる. |
細胞化学所見から | 芽球様細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性である. |
【形態診断】 | 形態学的ならびにPO染色が陰性より以下を疑う. @急性リンパ性白血病、A急性非リンパ性白血病(PO陰性急性骨髄性白血病) |
〜後発信〜 | |
表面形質から | CD10(66.6%)、CD19(98.3%)、CD34(82.1%)、HLA-DR(95.4%)CD20(16.4%) |
染色体所見から | 27,X,+X,+6,+10,21‥16/20 54,XX,+X,+,X+6,+6,+10,+10,+21,+21‥2/20 46,XX ‥2/20 |
【臨床診断】 | 芽球様細胞はPO染色、PAS染色、EST染色が陰性よりALLと診断された. 染色体検査で低2倍体の核型異常が多くみられ、低2倍体性急性リンパ性白血病と診断された.化学療法はJALSG-ALL97にて開始されたが入院後6ヶ月、敗血症にて死亡される. |
WHO分類 | 前駆B細胞性腫瘍 Precursor B-cell neoplasms ☆低2倍体性急性リンパ性白血病 ALL-hypodiploid |