症例55
年齢 | 50歳代 | |||
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現病歴 | 腰背部痛を訴え来院、血液像にて白赤芽球症(leukoerythroblastosis)を指摘され、精査のため入院となる. | |||
血液学所見 | WBC(/μl) | 5,440 | RBC(万/μl) | 372 |
Hb(g/dl) | 12.4 | Ht(%) | 33.4 | |
PLT(万/μl) | 5.5 | MCV(fl) | 97.8 | |
MCH(pg) | 33.3 | MCHC(%) | 37.1 | |
血液像(%) | Blast 1,My-Meta. 5,Seg 75,EBL 11/100w | |||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 15.9 | BM-MgK | 6.25 |
abnormal cell | (+) | |||
生化学所見 | LDH 9,361 IU/l, |
[骨髄×1000.PAS染色] 集塊細胞はPAS染色に大半が陰性であるが、一部に顆粒状の陽性を認める. 拡大して見る |
[骨髄×400.MG染色] 骨髄で大型細胞の集塊を認める. 拡大して見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 集塊細胞は18μm大でクロマチンは繊細網状である. 拡大して解説を見る |
[骨髄×400.MG染色] 集塊細胞は結合性がうかがえる. 拡大して見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 集塊細胞は大小不同もみられ、クロマチンは繊細から粗網状がみられる. PO染色に陰性である. 拡大して解説を見る |
正解 : 3 慢性骨髄性白血病(CML)
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年齢 | 50歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 白血球(5,440/μl)の分類にて芽球、幼若顆粒球、赤芽球を認め、白赤芽球症(leukoerythroblastosis)がみられる. |
骨髄所見から | 骨髄は大型細胞の集塊がみられる. それらは結合性で、クロマチンは繊細から粗網状である. これらの形態は血液細胞とは明らかに異なる所見である. |
細胞化学所見から | 集塊細胞はPAS染色に大半が陰性であるが、一部に粗大顆粒状の陽性がみられる. PO染色、EST染色は陰性である. |
【形態診断】 | 集塊細胞は木目込み細工像、擬似のロゼット形成や一列縦隊などの様式を呈している. これらの形態は血液細胞とは明らかに異なる所見である. 従って、年令も加味し小細胞癌の骨髄転移を考えた.小児であれば神経芽細胞腫を疑うところである. |
〜後発信〜 | |
免疫染色 | NSE(neuron specific enolase)+、ケラチン(±)、LCA(−) |
【臨床診断】 | 光顕的所見ならびに免疫染色で、NSEが陽性、LCAが陰性より小細胞癌の骨髄転移と診断された. 骨シンチにて、多発性に異常集積を認める(頚椎、胸椎、腰椎、頭蓋骨、大腿骨など). 胸部CTにて、両肺にsmall nodules、両側胸水を認める. 腹部CTにて、肝・膵臓に多発性転移巣、両副腎転移を認める. その後、転院となり、原発巣については膵原発の可能性ありとのことであった. |
腫瘍分類 | 骨髄転移性腫瘍 ☆転移性小細胞癌 Metastatic small carcinoma (膵臓原発の疑い) |