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症例51

年齢 40歳代
現病歴 数週間前より倦怠感、微熱があり近医を受診するも軽快しないために当院を受診する.
発熱(38.7℃)と頚部、腋窩にリンパ節腫脹を認めたため入院となる.
血液学所見 WBC(/μl) 9,100 RBC(万/μl) 486
Hb(g/dl) 15.3 Ht(%) 44.3
PLT(万/μl) 23.4 MCV(fl) 91.1
MCH(pg) 31.1 MCHC(%) 34.5
血液像(%) St-seg 68,Ly 30, Mo 2  
骨髄所見 NCC(万/μl)  6.8 BM-MgK  6.25
abnormal cell (+) 
リンパ節所見 abnormal cell (+), リンパ球(++)

 
[骨髄×1000.MG染色
細胞径30μm大の大型細胞は二核で明瞭な核小体がみられる.
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[骨髄×1000.免疫染色]
骨髄の多核細胞はCD30に陽性である.
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[頚部リンパ節×400.MG染色
大小のリンパ球を背景に大型細胞がみられる.
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[頚部リンパ節×1000.MG染色
単核細胞のクロマチンは粗顆粒状で明瞭な核小体がみられる.
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[頚部リンパ節×200.HE染色]
中央に大型で明瞭な核小体を有する細胞がみられる.
(久留米大学病理部 大島孝一先生によりご提供されたもの)
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解説&臨床診断



 正解 : 4 ホジキンリンパ腫(HL)

拡大した形態画像には、解説が含まれています。

年齢 40歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球増加(9,100/μl)の分類にて好中球68%、リンパ球30%がみられ、その他は著変はない.
骨髄所見から 骨髄では細胞径30μm大の大型で二核の細胞がみられる.
それらは、全般に好塩基性の細胞質に二核のものは鏡像(mirror image)としてみられる.
クロマチンは粗顆粒状で、明瞭で大きな核小体を認める.
リンパ節生検から 頚部スタンプ標本より、背景は小型〜中型リンパ球の増生が顕著で、そのなかに大型細胞がみられる. それらは明瞭な核小体を有している. また炎症性細胞の浸潤もみられる.
細胞化学所見から 大型細胞はPO染色PAS染色EST染色に陰性である.
免疫染色から CD30 (+)
【形態診断】 骨髄の大型細胞は鏡像やReed-Strenberg様の巨細胞が認め、CD30が陽性よりホジキンリンパ腫を考えた. 本細胞が骨髄へ浸潤することは珍しいと思われる.
〜後発信〜
【臨床診断】 Reed-Sternberg様の巨細胞、鏡像(mirror image)などの特徴的な形態像とCD30陽性よりホジキンリンパ腫が疑われた. 頚部リンパ節生検より、ホジキンリンパ腫の混合型(mixed cellularity:MC)と診断された. 本例は骨髄への浸潤がみられた興味ある症例である.
WHO分類 ホジキンリンパ腫 Hogkin lymphoma
☆混合細胞型ホジキンリンパ腫 Mixed cellularity Hodgkin lymphoma


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