症例23
年齢 | 10歳代 | |||
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現病歴 | 両下肢に多数の出血斑が出現し来院され、血液検査にて白血病が疑われ入院となる. 出血傾向あり、肝脾腫、リンパ節腫大なし. |
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血液学所見 | WBC(/μl) | 41,800 | RBC(万/μl) | 315 |
Hb(g/dl) | 9.3 | Ht(%) | 27.4 | |
PLT(万/μl) | 5.6 | MCV(fl) | 87.0 | |
MCH(pg) | 29.5 | MCHC(%) | 33.9 | |
血液像(%) | Blast 44, Mo 34, | |||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 25.0 | ||
Blast 25%、Myeloid 27%、Mono. 44% | ||||
生化学所見 | LDH 800 IU/l |
[末梢血×1000.MG染色] 芽球様細胞と単球系細胞がみられる. 拡大して見る |
[骨髄×400.MG染色] 芽球様細胞と核形不整の細胞が目につく. 拡大して見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞にはアウエル小体を認める. 拡大して見る |
[骨髄×1000.PO染色] PO染色で陽性と陰性がみられる. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×400.EST二重染色] EST二重染色像である. 拡大して見る |
正解 : 5 急性骨髄単球性白血病(M4)
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年齢 | 10歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 白血球増加(41,800/μl)の分類にて芽球様細胞が44%みられる. 他に単球の増加(1,4214/μl)をみる. |
骨髄所見から | 骨髄にて芽球様細胞は25%、以下骨髄系27%、単球44%と続く. 芽球様細胞にはアウエル小体を認める. 好酸球の増加はみられない. |
細胞化学所見から | 芽球様細胞を含め骨髄系にPO染色は陽性、単球系は陰性から弱陽性で、陽性と陰性とに分かれる. EST二重染色でも骨髄系と単球系に二分される. |
【形態診断】 | 末梢血にて単球が5,000/μl以上、骨髄では芽球が20%以上、骨髄系と単球系の混在が明らかで、PO染色、EST染色の陽性態度よりAML-M4と診断した. |
〜後発信〜 | |
表面形質から | CD13、CD33、CD34、CD14、HLA-DR (+) |
染色体所見から | 46,XX |
【臨床診断】 | 血清リゾチームは43.5μg/ml、尿リゾチームは14.8μg/mlと上昇し、光顕的所見を加味しAML-M4と診断された. |
WHO分類 | 特異的染色体異常を伴わないAML ☆M4 (Acute myelomonocytic leukemia ) |