症例15
年齢 | 40歳代 | |||
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現病歴 | 発熱、咽頭痛 感冒症状と39℃台の高熱が出現し、近医受診し汎血球減少が認められ入院となる. |
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血液学所見 | WBC(/μl) | 1,290 | RBC(万/μl) | 210 |
Hb(g/dl) | 7.3 | Ht(%) | 22.2 | |
PLT(万/μl) | 7.8 | MCV(fl) | 105.7 | |
MCH(pg) | 34.8 | MCHC(%) | 32.9 | |
血液像(%) | Blast+,St〜Seg63, Ly 28 | |||
骨髄所見 | NCC(万/μl) | 23.1 | Mgk(/μl) | 150 |
Blast様(%) | 78.4 | |||
生化学所見 | LDH 241 IU/l, CRP 3.43 mg/dl, リゾチーム 2.4μg/ml | |||
表面形質 | CD13, CD33, CD34, HLA-DR+ |
[骨髄×400.MG染色] 芽球様細胞の増加がみられる. 拡大して見る |
[骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞(中央)と好中球に脱顆粒を認める. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×1000.MG染色] 幼若顆粒球に巨大化や脱顆粒を認める. 拡大して解説を見る |
[骨髄×1000.MG染色] 赤芽球に軽度の異形成を認める. 拡大して解説を見る |
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[骨髄×1000.MGP染色] 巨核球に小型化を認める. 拡大して解説を見る |
正解 : 5 多血球系異形成AML
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年齢 | 40歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 汎血球減少症の血液像では好中球63%、リンパ球28%で、標本全体から芽球様細胞を認める. |
骨髄所見から | 骨髄は正形成で、M/E比は9.7と顆粒球系細胞が優位である. 芽球様細胞は78.4%、アウエル小体は不明である. 異形成として、顆粒球系に脱顆粒、赤芽球に核融解像(karyolysis)、巨核球系に分離した多核の巨核球がみられる. |
細胞化学所見から | 芽球様細胞はPO染色に陽性より骨髄系が示唆される. |
【形態診断】 | 骨髄での芽球の増加(30%以上)と分化傾向が強いことよりAML-M2を考えた. 背景の異形成については、赤芽球は軽度であるが、二系統以上に形態異常があることでAMLwith multilineage dysplasia と診断した. |
〜後発信〜 | |
染色体所見から | 不明 |
【臨床診断】 | 芽球の増加(20%以上)と造血三系統の形態異常は各系10%以上を占めることから形態異常を伴うAMLと診断された. |
WHO分類 | 急性骨髄性白血病 Acute myeloid leukemia ☆多血球系異形成を伴うAML AML with multilineage dysplasia |