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症例12

年齢 50歳代
現病歴 1ヶ月前より、上下肢に出血斑が出現.その後歯肉腫脹を自覚、全身倦怠感を認めるようになり、近医受診する. 血液検査にて白血病が疑われ当院入院となる.
血液学所見 WBC(/μl) 66,990 RBC(万/μl) 275
Hb(g/dl) 8.6 Ht(%) 27.1
PLT(万/μl) 3.0 MCV(fl) 98.5
MCH(pg) 31.2 MCHC(%) 31.7
血液像(%) Blast 9.0, Mo 79.0
骨髄所見 NCC(万/μl) 18.2 Mgk(/μl) 15.0
Blast様 23%, Myeloid 16, Mo .54, Eo 4%
生化学所見 LDH 400 IU/l、CRP 0.72 mg/dl
表面形質 CD2,CD13,CD14,CD33,CD34,HLA-DR+

 
[末梢血×1000.MG染色
芽球は9%出現し、周囲には単球の増加が みられる.
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[骨髄×400.MG染色
顆粒球系細胞は分化傾向が強い.
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[骨髄×1000.MG染色
顆粒球系と単球系の混在のなか、異常顆粒を有する好酸球がみられる.
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[骨髄×1000.PO染色
幼若好酸球は強酸性である.
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[骨髄×1000.EST染色
EST二重染色に陽性がみられて、顆粒球系と単球系の混在がうかがえる.
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解説&臨床診断



 正解 : 4 急性骨髄単球性白血病(16逆位M4Eo)

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年齢 50歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球増多(66,990/μl)の分類は、芽球様細胞が9%と単球が79%と増加し、単球数は52,922/μlである.
骨髄所見から 芽球様細胞は23%みられ、以下骨髄系が16%、単球系が54%、好酸球が4%みられた. 好酸球は正常型に比べ大型で顆粒は粗大で間隙がみられる.
細胞化学所見から PO染色にて芽球様細胞は陽性で骨髄系を示唆するものであった.
EST染色では骨髄系はN-ASD・CLA染色に陽性、α-NB染色にも陽性像がみられ、2系統の混在がうかがわれるものであった.
【形態診断】 末梢血の単球数が5000/μl以上、骨髄での芽球が20%以上、骨髄系と単球系の混在(各20%以上)よりAML-M4を考えた.
しかし、骨髄に形態異常の好酸球を考慮すると、M4 with eosinophilia(M4Eo)も検討の範疇である.
〜後発信〜
染色体所見から 46,XX,inv(16)(p13q22)‥18/20cells、46,XX‥2/20cells
CBFβ/MYH11gene(+)
【臨床診断】 光顕的所見よりAML-M4を考え、好酸球は形態異常と捉えM4Eoを考えた.
リゾチームは血清で127.7μg/ml、尿で647.1μg/mlと上昇し、単球を示唆するものであった.染色体ではinv(16)の核型異常が認められM4Eoと診断された.
JALSG-AML201の治療が開始された.
WHO分類 特異的染色体異常を伴うAML AML with recurrent cytogenetic abnormalities
☆16番染色体逆位白血病  AML with abnormal bone marrow eosinophilis, inv(16)(p13q22),(CBFβ/MY11)


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