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症例2

年齢 80歳代
現病歴 高血圧症にて通院中、転倒し下顎、両膝を打撲し紫斑が出現する.その後発熱,呼吸不全を主訴に来院する. 白血球増加と貧血を指摘され入院となる.
胸部X線照射にて重症肺炎像(胸膜炎)がみられた.
血液学所見 WBC(/μl) 192,100 RBC(万/μl) 286
Hb(g/dl) 8.0 Ht(%) 25.2
PLT(万/μl) 8.8 MCV(fl) 88.1
MCH(pg) 28.0 MCHC(%) 31.7
血液像(%) Blast 2, Promy 4, my 4,Met 2, St 3,
Seg 74,Eo 2,Ba 9, NRBC 3/100w
骨髄所見 NCC(万/μl) 48.6 MgK(/μl) 200
M/E比 10.1 Blast様(%) 2.0
細胞化学所見 NAP活性 (PS 353,PR 92%)
生化学所見 LDH 1,382 IU/l、CRP 24.5 mg/dl

 
[末梢血×400.MG染色
顆粒球系細胞の増加がみられる.
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[骨髄×400.MG染色
M/E比は高く、顆粒球系には分化段階がみられる.
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[骨髄×1000.MG染色
顆粒球系細胞の分化段階に好塩基球の増加を 認める.
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[骨髄×1000.MG染色
芽球は3%以下で、顆粒球系細胞には低顆粒がみられる.
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[末梢血×1000.NAP染色
好中球に活性の高値を認める.
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解説&臨床診断



 正解 : 3 慢性骨髄性白血病(CML)

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年齢 80歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球増加 (192,100/μl)の分類では、顆粒球系の幼若型の出現をみる.
一部の好中球に脱顆粒を認める. 好塩基球や好酸球の増加もみられる.
骨髄所見から 骨髄は過形成であり、M/E比は10.3と顆粒球系が優位で分化段階がみられる.
芽球は2%位で、顆粒球系のほかに好塩基球(11%)や好酸球の増加(8%)を認め、顆粒球系に低顆粒や若干ながら小型巨核球を認める.
顆粒球系細胞の著増はCMLの慢性期を思わせる像である.
細胞化学所見から 顆粒球系はPO染色に陽性を呈し、陰性所見は見当たらない.
NAP染色では陽性指数353、陽性率92%の高値を呈した.
【形態診断】 末梢血、骨髄ともに顆粒球系の増加と好塩基球や好酸球の増加からCMLを疑う.
しかし、NAP活性が高値のため類白血病反応も考慮する.
従って@CMLA類白血病反応を考えるが、NAP活性の高値は、肺炎の合併(CRPの高値)によるものが考えられ、また、白血球数が10万/μlを超える所見は腫瘍性の可能性が高く、CMLを考え、染色体検査の結果待ちとなった.
〜後発信〜
分子生物学的から 46,XY,t(9;22)(q34;q11)
BCR/ABLgene (+)
【臨床診断】 NAPの高値は重症な肺炎によるものが考えられ肺炎が治まった頃に再検査したところNAP活性は低値であった.
末梢血、骨髄像所見からCMLを考え、その後Ph染色体、BCR-ABL遺伝子を認めCMLと診断された.
WHO分類 慢性骨髄増殖性疾患Chronic myeloproliferative diseases (CMPD)
☆慢性骨髄性白血病 Chroic myelogenous leukemia(CML)


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