「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜
覚えておきたいその他の骨髄転移性腫瘍
小円形細胞と類似の白血病細胞を提示しました。転移性腫瘍では孤立性に出現した場合が特に白血病細胞との鑑別が困難になります。
- A. 腎芽細胞腫(ウイルムス腫瘍):腎臓に発生し胎児期の後腎芽組織に由来するものである. 小円形〜
多辺形細胞の疎な結合性を示しながら出現し、木目込み細工様配列の集塊がみられ裸核状もみられる。
B. 網膜芽腫:1歳未満がピークで90%が5歳までに発症する. ロゼット様配列を示すことから神経芽腫に 似る。13番染色体のq14欠失が報告され、症状として白色瞳孔(ネコ目)などが特徴とされる。
C. 大細胞癌:大型細胞のシート状出現、クロマチンは繊細傾向、明瞭な核小体や強度の好塩基性と空胞を 認める。悪性リンパ腫(大細胞型)に類似する。
D. 髄芽腫:小児小脳腫瘍の約25%を占める。 小円形〜多辺形細胞で二核や木目込み細工様配列を示す (矢印)。
E. 扁平上皮癌(低分化型;子宮原発):多辺形、不整核が目立ち、クロマチンは繊細ながらも部分的に 結節がみられる。
F. 扁平上皮癌(分化型;食道原発):核、細胞質共に多形性に富む奇怪でクロマチンは融解状、細胞質は 分厚く染色性も多彩である。
G. ユーイング肉腫:小児の大腿骨、脛骨、上腕骨に好発する. 小型の円形〜楕円形の核をもち、細胞質は 乏しく、特徴的な細線維状の突起がみられることもある。
H. 移行上皮癌(膀胱原発):紡錘形細胞、核は類楕円形が主体に多形性、細胞質に尾状の突起を認め る。
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