骨髄増殖性腫瘍のWHO分類
骨髄増殖性腫瘍
Myeloproliferative neoplasms (MPN)
MPNはクローナルな造血幹細胞の疾患で、顆粒球系、赤血球系、巨核球系のいずれか一系統以上の増殖によって特徴づけられる。
1)慢性骨髄性白血病、BCR-ABL1陽性
2)慢性好中球性白血病
3)真性赤血球増加症
4)原発性骨髄線維症
5)本態性血小板血症
6)慢性好酸球性白血病、非特定型
7)骨髄増殖性腫瘍、分類不能型
2)慢性好中球性白血病
3)真性赤血球増加症
4)原発性骨髄線維症
5)本態性血小板血症
6)慢性好酸球性白血病、非特定型
7)骨髄増殖性腫瘍、分類不能型
(WHO.2017)
【MPNの変更点】(WHO.2017)
「骨髄増殖性腫瘍」の名称変更については、本型に含まれる病型に遺伝子変異が証明されたことによるもので、特にJAK2 V617F変異はPV、ET、PMFに関与することが判明された 。CMLの名称が、Chronic myeloid leukemia, BCR-ABL1−positiveと変更された 。また、CMLの急性転化の移行期の定義として暫定的であるが、チロシンキナーゼ阻害薬への反応性が追加された 。CMLの急性転化の診断は、末梢血および骨髄の芽球が20%以上または髄外病変(+)とされるが、リンパ芽球性 急性転化では進行が急速であるため、芽球や髄外病変は必ずしも条件としなくてもよいと言及されている 。CNLの診断基準にCSF3R変異が追加された 。PVの診断にはHb基準値が男性16.5g/dL以上、女性16.0g/dL以上、Ht基準値が男性49%以上、女性48%以上に下げられ、骨髄生検が大基準に設けられた 。
ETではJAK2、CALA あるいはMPL変異が大基準に明記された 。原発性骨髄線維症では前線維化期と線維化期に細分化された 。従来の肥満細胞症がMPNの範疇から除外され独立した 。
(小松則夫:WHO分類改訂第4版.中外医学社.2019)