2011年3月11日午後2時46分、三陸沖深さ24kmを震源としたマグニチュード9.0(震度7)の東日本大震災
から7年を迎え、最近の警視庁や各県のデータでは、死者1万5895人、行方不明者2539人、地震関連死(岩手・宮城・福島)3615人、住宅全半壊40万2699人、避難者7万3349人と報告されています。
復興にはまだ遠いようですが、被災地の一部では高台移転やかさ上げによる新しい街づくりが進んでいるようです。住まいに向けた復興の進展は、震災直後、約47万人いた避難者は約7万3000人にまで減ったといわれます。このうち約5万人は東京電力福島第一原発事故が起きた福島県の避難者といわれます。
震災4ヶ月後の7月23日、ベックマン・コールター社主催の血液研修会*が東北の皆様の熱い要望によって仙台で開催されたことが昨日のように想い出されます。当時、仙台空港はまだ仮設の状態でその周囲は被災の跡がなまなましく一瞬時間が止ったようでした。あれから、5年続けて本研修会に参加させて頂いておりますが、空からみる仙台空港周辺も少しづつですが活気を帯びてきているようにも感じます。
2012年の研修会の前日、学生14人の犠牲者がでた閖上中学校を訪れ慰霊碑(名取市)に献花しましましたが、涙が溢れ止まりませんでした。今もなお避難者は約7万人といわれ、1日も早い復興を お祈りするばかりです。
臨床検査技師の教育に携わっていた私は、その後の熊本地震(2016.4.14)、九州北部豪雨(2017.7.5)など自然災害を授業のなかに取り上げ、学生諸氏と共に考える時間を設けておりました。
どんな災害に対しても一歩一歩進むことになりますが、吉野弘さん(詩人)の詩をお借りすれば、「歩」とは「止」と「少」からできていて、立ち止まっては祈り、祈ってはまた少しだけ前に進む‥ということだそうで、そこには辛抱強さが求められるのかも知れません。何よりも後世への伝承は忘れてはなりません。
(*The Medical &Test Journal.2011.9.1.第1168号に掲載)
(資料:讀賣新聞/編集手帳.2018.3.11付)
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
今回は、末梢血液像の観察で注意するべき所見と形態診断に挑みます。
末梢血は、形態の変動幅を考慮する意味で、類似細胞や鑑別を要する細胞を提示しました。形態の特徴的所見を捉え同定しましょう。
症例編は、わずかな臨床像と検査データから次なる検査を模索し、末梢血および骨髄像から形態診断を行なって下さい。
末梢血液像の細胞同定を行なって下さい
形態診断に必要な所見を考え、臨床診断を行なって下さい
【所見】
【45-50歳.男性】
【主訴】発熱・全身倦怠感 【検査】WBC14,800/μL、RBC290万/μL、Hb10.0g/dL、
Ht26.1%、PLT8.5万/μL 【骨髄】 NCC10.1万/μL(芽球16%)
PB-MG×1000
BM-MG×1000
BM-PO×1000
BM-EST二重×1000
問題 1
末梢血液像の細胞同定を行なって下さい。
【解説】
問題 2
45-50歳.男性。発熱と全身倦怠感を主訴として来院されました。来院時の検査データで白血球増加(14,800/μL)、 貧血、血小板減少がみられました。精査のため骨髄検査が施行されました。
【解説】
(PB-MG×1000)
(BM-MG×1000)
(BM-PO×1000)
(BM-EST二重×1000 BM-ACP×1000)
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