1月27日(土)、ベックマン・コールター(B.C)社主催の「血液形態塾 in 沖縄」講演会が沖縄県島尻郡与那原町のアトル那覇薬品大会議室で開催されました。
先陣をきって、BC社の新保文代さんが「自動血球計数装置における画像と細胞形態」のお話をされました。私は「形態異常のメカニズムを考える~血液形態に疑問を抱くとき~」のテーマで90分ほど頂きました。
80名ほどの方々がご参加下さり、ご質問も頂き盛会裏に終了しました。形態異常に潜むメカニズムを考えることは奥深く形態診断を行なう上で避けては通れないことで、昨年より本テーマを掲げて行脚しておりますが、今後もさらに追究してみてみたいと思っております。
講演会終了後は、那覇空港に近隣する瀬長島で、「第2回チキチキ阿南杯」(ソフトボール大会)が開催されました。血液担当者やそれ以外の若手を中心に25名ほどが集合し、天願聖子監督(那覇市立)率いる“チーム普天間”と大川有希監督(赤十字)率いる“チーム阿南”の対抗戦となり、緊迫のなかにも楽しい時間を過ごしました。私は9回まで投げ打点も稼ぎましたが10-9で惜しくも負けました。本杯は野球好きの私のために沖縄血液研究班のメンバーが2年前に企画して下さったことで、第1回では若手の交流を図ることができたことから第2回目の開催になりました。翌日は、手登根稔さん(浦添総合病院)のご配慮により北部のミカン狩りと寒緋桜の見物(日本で1番始めに咲く桜)に出かけ和みの時を過ごせました。
次にご案内です。6月16日(土)15:00~19:30、ホテルマハイナウエルネスリゾート沖縄(国頭郡本部町)で「血液セミナーin やんばる2018」が開催されます。コンシェルジュは手登根さんです。講師陣は栗山一孝先生、下村大樹技師、阿南が務めます。本セミナーは以前に開催された石垣島、宮古島に次ぐもので、これまで全国よりお越し下さり交流を図っております。マハイナウエルネスリゾートホテルは、海洋博公園、沖縄美ら海水族館のある北部に位置する長期滞在対応リゾートホテルです。梅雨明けの沖縄をセミナーで学びリゾートで快適に過ごしてみませんか。
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
今回は、年6回に三島事業場で開催されるベックマン・コールター社のカスタマートレーニング「形態学コンシエルジュコース」においてご質問の多い単球系についての同定に挑みます。単芽球~前単球~単球の分化過程の細胞が今日になっても鑑別困難な細胞群にあげられているようです。
症例は、これまた単球系が絡むものを提示しました。僅かな検査データを参考にして、末梢血、骨髄のMG染色所見を中心にPO染色、EST二重染色の判定を踏まえ形態診断を試みて下さい。そして確定診断に必要な検査も考えながら診断へ結びつけて下さい。
骨髄の細胞同定を行なって下さい。
形態診断に必要な所見を考え、臨床診断を行なって下さい。
【所見】
【15-20歳.女性】
【主訴】貧血、出血斑 【現病歴】肝脾腫
【検査】WBC41,800/μL(芽球10%、単球15%)、RBC246万/μL、Hb8.1g/dL、PLT7.8万/μL、【骨髄】 NCC16.1万/μL(芽球様15%)
PB-MG×1000
BM-MG×1000
BM-PO×1000
BM-EST二重/EST×1000
問題 1
骨髄の細胞同定を行なって下さい。
【解説】
【正答】
(Case A) 1.前単球 2.好中球(巨大化) 3.骨髄球 4.単球 5.単球 6.好中球(輪状核) 7.前単球 8.リンパ球
注)3.と4.は、2.や5.に押されたり、互いに密着していることで、細胞の大きさが少し縮んでみえます
(Case B) 1.単球 2.単球 3.単球 4.単球 5.単球 6.リンパ球 7.形質細胞
注)2.と3.の単球は、核の占める割合は周囲の単球に比べると大きいのですが、細胞の大きさは変わらないことと、A.の1.と7.の前単球に比べると明らかに分化傾向があるものと解釈しました。
問題 2
15-20歳.女性。貧血と出血斑で来院されました。受診時の検査データで白血球増加(41,800/μL)、貧血、血小板減少がみられました。精査のため骨髄検査が施行されました。
【解説】
(PB-MG×1000)
(BM-MG×400)
(BM-MG×1000)
(BM-PAS×1000 BM-ACP×1000)
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