前 略
明けましておめでとうございます。本年もマンスリー形態マガジンをよろしくお願いいたします。
新年の出始めは相撲を話題にしてみたいと思います。
相撲は人間の闘争本能である力くらべや取っ組み合いから始まり、わが国では、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にある力くらべの神話や天覧勝負などの伝説がある。その後、その年の農作物の収穫を占う祭りの儀式として行われ後に宮廷の行事となり300年続くことなる。鎌倉時代から戦国時代にかけ、武士の戦闘訓練として織田信長は深く愛好し、1570年~92年にわたり近江の安土城などに各地より力士を集めて上覧相撲を催し、勝者には家臣として召し抱えたとされる。
江戸時代になると、浪人や力自慢から相撲を職業とする者が現れ、全国で勧進相撲が行われるようになり、江戸中期には定期的に相撲が興業されるようになった。やがて谷風、小野川、雷電の強豪力士が登場し将軍上覧相撲が行われ相撲の人気は急速に高まり、その後、歌舞伎と並び一般庶民の娯楽となり今日の大相撲の基礎が築かれたと言われる。
幼少の頃、唯一の楽しみであった相撲とプロ野球にはよくラジオに耳を傾け、白黒テレビでもよく観戦したものでした。ひいきの力士はというと郷里大分出身の玉乃海大三郎(二所ノ関部屋)、全盛期の体格は181cm122kg、取り口は怪力を生かし四つ身から櫓(やぐら)投げを放つなど豪快そのもので“荒法師” の異名をとった(最高位は東関脇)。
引退後、片男波を襲名し現在の片男波部屋を興した。その愛弟子に横綱まで昇進した愛知県出身の玉の海(玉乃島から改名)がいた。1970年、北の富士と共に横綱へ昇進し、“北玉時代”が到来した。177cm130kgと小柄ながらも、学生時代柔道で鍛えられた足腰の強さからくりだす突っ張り、右四つ、吊り、上手投げは師匠ゆずりの豪快さをもち、一気にファンになりました。世間ではあの双葉山の再来とまで言われるようになったほどです。
全勝優勝を飾った1971年7月場所前後に急性虫垂炎を発症、同年9月場所後に横綱大鵬の引退が控えており横綱としての責任を果たすため、痛み止めの薬を続け9月場所を強行に出場した。これが災いし玉の海の生命を縮めることになった。場所終了後、ただちに虎ノ門病院に入院し虫垂炎の緊急手術を受けたが、腹膜炎寸前の状態であったと言われる。一次退院するも10月11日11時30分、虫垂炎術後に併発した肺血栓が原因で亡くなった(享年27歳)。これまで6度優勝しており、実力から10数回は優勝が期待された力士でとても残念でした。
昨年11月20日、兄弟3人で大相撲九州場所十三日目を溜り席で初めて観戦しました。間近でみる力士の存在感やぶつかり合う迫力は凄まじく、あの玉乃海そして玉の海がこの土俵で戦ったのかと思うと感慨無量でした。
(資料:日本相撲協会公開サイト)
草々
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
九州場所(福岡国際センター 2015.11.20撮影)
白鵬(向側)と日馬富士の横綱対戦(十三日目)
日馬富士の完勝、千秋楽にて日馬富士は13勝2敗で7度目の優勝を果たす
(福岡国際センター 2015.11.20撮影)
明けましておめでとうございます。
本年もベックマン・コールター社のWebサイト「マンスリーマガジン」をどうぞよろしくお願い致します。
今回の細胞同定は、骨髄の芽球の形態に着眼してみました。
特殊染色を組み合わせて形態診断を行いますが、MG染色の特徴をしっかり掴むことも大事かなと思います。
症例は、慢性骨髄性白血病(CML)の急性転化について考えてみたいと思います。
骨髄にみられた芽球を同定して下さい。
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
CMLの急性転化像を所見から考えて下さい(複数回答可)。
【所見】
A.末梢血/骨髄:PO染色陰性、PAS染色陰性、N-EST染色陰性
B.リンパ節:PO染色陽性、N-EST染色陰性、骨髄/末梢血:異常なし
C.骨髄:PO染色陰性、PAS染色陽性、N-EST染色陰性
BM-MG×400
LN-MG×400
BM-MG×400
問題 1
(正解と解説)
骨髄像における芽球の鑑別を提示しました。勿論、芽球の形態のみで診断することはありませんが、諸検査への情報提供に一役買うものであり、特徴ある芽球については認識しておく必要があると思います。
【正解】
(CASE A) ①.正常な骨髄芽球、(CASE B) ②.病的な骨髄芽球、(CASE C) ⑥.前赤芽球
(CASE D) ③.リンパ芽球、(CASE E) ⑤.単芽球、(CASE F) ④.巨核芽球
【解説】
問題 2
(正解と解説)
CMLの急性転化像です。CMLはPh染色体/BCR-ABL遺伝子を有する造血幹細胞のモノクローナルな増殖による疾患であり、チロシンキナーゼ蛋白(p210kd)の存在が急性転化をもたらすといわれ、骨髄系(骨髄性、単球性、巨核球性、赤芽球性)やリンパ球系の多岐にわたり転化するといわれます。これらの急性転化を防ぐためにチロシンキナーゼ蛋白を阻害するものとして開発された分子標的療法のイマチニブ、ダサチニブやニロチニブなどが延命効果につながっていることは周知のことと思われます。A,B,Cは共に骨髄の中倍率(x400)です。
【正解】
(CASE A) ①.リンパ系の転化、②.骨髄系の転化
(CASE B) ②.骨髄系の転化、④.骨髄芽球腫
(CASE C) ③.巨核球系の転化
【解説】
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