(CASE A) 1-④.単球、2-②.異型リンパ球(CASE B) 1-③.単球、2-①.桿状核球、3-②.分葉核球
【解説】
(PB-MG ×1000)
(CASE A) 1.細胞径24μmの大型で、N/C比は低く、核形不整は軽度、核網工は繊細、細胞質は弱い好塩基性に空胞がみられることより単球に同定しました。また、細胞質には染色性が異なる二重構造(上半 分と下半分)がみられます。通常、単球は核の周囲に微細なアズール顆粒が集まり、周辺との間に染色性の有意な差がみられ、私は二重構造として単球の特徴的所見としております。 2.細胞径20μmの大型で、N/C比は低く、核はほぼ円形、核網工は粗剛、細胞質は弱い好塩基性がみられることよりリンパ球を思わせます。類似する1.と異なる点は、大きさはやや小さく、核網工は粗剛であることで、それに細胞質の弱好塩基性のポイントより異型リンパ球に同定しました。
(PB-MG ×1000)
(CASE B) 1.細胞径16μm大で、核形は顕著な不整で桿状を呈し、核網工はやや繊細で、細胞質は灰青色で空胞がみられます。核質は好中球に類似しますが、細胞質の所見より単球に同定しました。 単球のPO染色は前単球から染まりはじめ単球も含め陰性から弱陽性を呈しますが本細胞は陰性です。 2.細胞径15μm大で、核形は桿状を呈し、核網工は粗剛で僅かにクロマチン結節がみられます。 PO染色が陽性のことも加味し桿状核球に同定しました。 3.細胞径13μm大で、核糸を認めることより3分葉の分葉核球に同定しました。 【コメント】 コメントとしては、3.の好中球にはPO染色が染まっていませんので、PO陰性好中球の形態異常として報告することになります。本例はMDSの例です。
問題 2
(正解と解説) 骨髄像の細胞同定です。造血細胞と非造血細胞の出題です。
【正解】
(CASE A) 1-④.桿状核球、2-⑤.分葉核球、3-①.好塩基性赤芽球、4-②.多染性赤芽球(CASE B) 1-③.正染性赤芽球、2-②.多染性赤芽球、3-⑥.組織好酸球、4-④.リンパ球
【解説】
(BM-MG ×1000)
(CASE A) 1.細胞径13μmで、核は湾曲しやや太めの棒状やバナナ状を呈し、クロマチン結節を僅かに認め、細胞質は淡い好酸性の色調を示すことにより桿状核球に同定しました 2.細胞径13μm大で、核にはくびれがみられ、それは核の最小幅が最大幅の1/3未満であり、細胞質にはやや多めの二次顆粒を有する分葉核球に同定しました。 3.細胞径18μm大で、核は円形で中心性、核網は粗顆粒状、細胞質は強度の好塩基性がみられます。前赤芽球に類似しますが、やや小型で核小体がみられず、細胞質に突起などを有しないことより好塩基性赤芽球に同定しました。 4.細胞径12μm大の小型で、核は円形で偏在性(通常は中心性)、クロマチンの結節は強度で、細胞質は多染性の色調のことより多染性赤芽球に同定しました。
(BM-MG ×1000)
(CASE B) 1.細胞径12μmの小型大で、核は円形で偏在性(通常はやや中心性)、クロマチンは濃縮していることより正染性赤芽球に同定しました。本細胞の偏在性は脱核への進展も考えられます。 2.細胞径14μm大で、核はやや偏在性(通常は中心性)、クロマチン結節は強く、細胞質は多染性の色調より多染性赤芽球に同定しました。 3.細胞径30μm大の大型で、核は偏在し、核網工はやや繊細で、細胞質は辺縁が不規則性で好酸性の顆粒が豊富です。一見、幼若好酸球に類似しますが、核質や辺縁の不規則性などより血液細胞というよりも非造血細胞として捉え組織好酸球に同定しました。 4.細胞径12μm大の小型ですが、周囲の赤血球に押された感もあります。核網工は粗剛のことよりリンパ球に同定しました。