第41回 「マンスリー形態マガジン」 2014年9月号

「巧みの技」と「美の麗彩」を尋ねて ~第1話~

前 略

この8月4日~6日、夏まつりを探しに初めてみちのくの秋田に出かけました。
それは東北三大まつりの一つ「秋田竿燈まつり」と小京都湯沢の夏まつり「七夕絵どうろうまつり」です。秋田在住の知人の案内で3名の旅となりました。今月と来月の2回に分けてお楽しみ下さい。
4日は260年以上の歴史をもつ「秋田竿燈まつり」に参加しました。
五穀豊穣を祈願する祭りとされ、稲穂に見立てた竿燈が夏の夜空に揺らめく姿は勇壮そのものです。
竿燈の起源は、江戸時代中期とされそもそも「眠り流し」とよばれる睡魔払いにあったようです。
「夏になると暑さが厳しく、労働もきつく、病魔が忍びより眠り病に冒される」と考えられ、その睡魔を退治するために、眠り流し「竿燈」を行なったと伝えられています。
「竿燈まつり」は竿燈総数260本、提灯総数10,000個が夜空に揺れ、“ドッコイショー ドッコイショー ドッコイショショ ドッコイショ”のかけ声とともに黄金の稲穂を操る差し手の技はまさに職人芸です。
差し手は、長さ12m、重さ50kg、計46個の提灯を吊し、力四分、技六分の微妙なバランスで竿燈を手のひら、額、肩、腰などに移しかえ夏の夜空を照らします。
なかには、継ぎ竹を増やしたり、花笠や扇子の小道具にした演技は見ものですが、継ぎ竹のしなりも見事なものです。日本古来の伝統“巧みの技”がここにも生きています。

(参考:秋田市竿燈まつり実行委員会資料)

草々

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 


夏の夜空に揺らめく竿燈まつり 夏の夜空に揺らめく竿燈まつり
夏の夜空に揺らめく竿燈まつり



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今回のねらい

今回は骨髄像の同定と症例を提示しました。
骨髄像では紛らわしい細胞を提示しましたが、これをクリアできれば上々と思われます。
疾患では特徴ある形態像を提示しました。芽球の割合と形状そしてPO染色所見を参考にして病型を考えてみて下さい。

問題

CASE A,Bにおける末梢血液像の細胞同定をリストより選択してください。

1-1CASE A

  • BM-MG×1000

1-2CASE B

  • BM-MG×1000

骨髄像から考えられる病型は何ですか。(芽球は15%です)

2-1骨髄像から考えられる病型は何ですか。(芽球は15%です)

  • BM-MG ×400

  • BM-MG ×1000

  • BM-MG ×1000

  • BM-PO ×400

解答・解説

  • (BM-MG ×1000 )Case1

    ( BM-MG ×1000 )CaseB
  • (正解と解説)
    【正解】

    (CASE A) 1-⑩.正染性赤芽球、2-③.骨髄球、3-⑤.桿状核球
    4-⑥.分葉核球、5-⑪.リンパ球

    (CASE B) 1-⑬.形質細胞、2-⑫.単球、3-⑩.正染性赤芽球
    4-⑤.桿状核球、5-⑥.分葉核球、6-⑦.骨髄芽球

    【解説】

    (CASE A)
    1.は赤芽球として最小のもので、細胞質に多染性の色調が残存していますが、核の濃縮がみられることより正染性赤芽球に同定しました。2.は前骨髄球に類似していますが、それに比べ直径は15μm大と小さく、細胞質の広さに比べ核は小さく、細かな二次顆粒を有することより骨髄球に同定しました。4.と7時方向は分葉核球に同定しました。5.は直径13μm大で類円形の核、粗剛なクロマチン、淡青色の細胞質よりリンパ球に同定しました。
    (CASE B)
    1.は赤芽球に類似していますが、粗剛のクロマチン、細胞質は好塩基性が強く、7時の方向にゴルジ野がみられるようで核偏在傾向が弱い形質細胞に同定しました。2.はCASEA-5のリンパ球に類似していますが、クロマチンは繊細で核形不整がみられ、灰青色の細胞質に小さな空胞を有することより単球に同定しました。3.は正染性赤芽球でよろしいでしょう。4.は核に湾入がみられ棒状やバナナ状を呈していることより桿状核球に同定しました。5.は核が重なりクロマチンの結節もみられることより分葉核球に同定しました。6.は直径が18μm大の大型より前赤芽球を思わせますが、それに比べ繊細なクロマチン、細胞質の好塩基性は核周が明るく、辺縁に強い傾向にあることより大型の骨髄芽球に同定しました。



  • ( BM-MG ×600 )
    ( BM-MG ×600 )
    ( BM-MG ×600 ) ( BM-MG ×600 )
  • (正解と解説)
    【正解】

     ③.8;21転座AML

    【解説】 

    本例は初診時の骨髄の芽球が15%で背景には顆粒球系の分化傾向がみられるのが特徴です。
    分化傾向にある細胞のなかには核の形状がつかめないような変性が多くみられます。
    これは分化傾向が強いことを意味しているのかも知れません。
    B.は分化傾向にある細胞が中央にみられますが、中央と左には細胞質の辺縁に好塩基性の縁取りがみられます。これは多分に芽球からの分化状態がうかがえ治療前というのにすでに分化していることを意味しています。また、右の好中球にはアウエル小体がみられます。
    これもアウエル小体を有する芽球が分化したものと思われます。
    C.は分化した前骨髄球あたりに束状のアウエル小体がみられます。また、D.芽球から好中球にかけてPO染色が強陽性に染まる傾向にあります。
    このように本型は、初診時から芽球の増加と顆粒球系に分化傾向が強く、アウエル小体は長いもの、短いものや束状のものが出現し、PO染色が強陽性であることが特徴です。
    また、芽球にはアズール顆粒を有するものが多くみられることより前骨髄球との鑑別が余儀なくされます。
    本例は芽球の割合が20%を満たしていないことよりMDSの範疇になりますが、WHO.2008年版では特定の遺伝子異常を有する急性骨髄性白血病に分類されるようです。



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