今回問題1では、MG染色の所見として末梢血のリンパ球系細胞を提示しました。特に反応性と腫瘍性の線引きのポイントにブレがないようにしなければいけません。また、問題2は、前回と同様にエステラーゼ(EST)染色の所見を提示しました。EST染色は方法によって染色性が異なりますので、その陽性所見を熟知することが重要です。また、それに伴うフッ化ナトリウムによる阻害試験の反応態度も把握しておきましょう。
草々
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
今回 問題1では、MG染色の所見として末梢血のリンパ球系細胞を提示しました。特に反応性と腫瘍性の線引きのポイントにブレがないようにしなければいけません。また、問題2は、前回と同様にエステラーゼ(EST)染色の所見を提示しました。EST染色は方法によって染色性が異なりますので、その陽性所見を熟知することが重要です。また、それに伴うフッ化ナトリウムによる阻害試験の反応態度も把握しておきましょう。
CASE 1 ~ 2における末梢血液像を確認して1 ~ 6の細胞の同定を行ってください。
PB-MG×1000
PB-MG×1000
CASE 3 A ~ Dの細胞像は、急性単芽球性白血病(AML-M5a)と診断されたものですが、エステラーゼ(EST)染色に関する事項で正しいと思われるものをリストより選択してください。
BM-EST×1000
BM-EST×1000
BM-EST/NaF×1000
BM-EST/NaF×1000
1.の細胞は、核が湾曲して核糸が明瞭でないことから桿状核球に同定しました。2.3.の細胞は、大きさが異なりますが類似した細胞です。これらは、N-C比が低く、核形不整はなく、クロマチン網工は粗剛であり、好塩基性の細胞質を有することから異型リンパ球に同定しました。異型リンパ球の基準である大きさが16μm以上、細胞質が好塩基性に富むことを満たしています。4.の細胞は、リンパ球(小リンパ球)と同定しました。また、5.と6.の細胞は、4.の細胞と比較して同等かやや大きく、N-C比が高く、核形不整も顕著であることから異常リンパ球に同定しました。
A.は、α-naphthyl acetate(基質)と4%pararosaniline溶液に反応したアセテートEST染色です。
陽性反応は、茶褐色でびまん性を呈しますが弱陽性の判定が困難な場合があります。
B.は、butyrate(基質)とfast garnet GBC溶液に反応したブチレートEST染色です。陽性反応は、茶褐色で顆粒状を呈しますので陽性の判定は容易です。
C.は、ブチレートEST染色陽性の単芽球がフッ化ナトリウムに完全阻害され、単球の証になるものです。
D.は、ブチレート陽性の色調が未だ残存しています。しかし、B.の陽性所見に比べるとかなり薄くなってきており、部分的阻害として判定して単球を疑うことになります。
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