第28回 「マンスリー形態マガジン」 2013年8月号

『 ダメな上司の十箇条 』

前 略

  私は、国立都城病院に在籍中、ある日の責任者会議で、院長先生から「国立病院長会議」の資料が紹介されました。「ダメな上司の十箇条」(下表)としてまとめられたものですが、講演会で私の講義より興味を示される方が多く、みなさんがご自身の上司を思い浮かべながらニヤニヤされています(笑)。ちなみに私は6.に相当するようでした。その後、九州がんセンターに異動となり、時々感情的になる私を見て事務部長が言われました。“技師長さん、おごっちゃダメ、叱りなさい!”と。愛情をもって振る舞いなさいということになるのでしょう。それ以来、極力注意を払うようにしています。今、ニヤニヤされているみなさん!もうすぐ貴方の番ですよ。

◇ ダメな上司の十箇条 ◇

  • 1. 責任転嫁する上司
  • 2. 指導力がない上司
  • 3. 決断力がない上司
  • 4. 前例主義な上司
  • 5. すぐに意見を押し付ける上司
  • 6. すぐに感情的になる上司
  • 7. 手柄話ばかりをする上司
  • 8. 上長にすぐ迎合する上司
  • 9. 仕事もないのに残業する上司
  • 10.話題のない上司

To be continued!

草々

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 




著作権について

今回のねらい

今回は、MG染色の所見として骨髄における鑑別細胞を提示しました。また、特殊染色ではエステラーゼ(EST)染色を提示しました。EST染色では、細胞化学染色の原理であるアゾ色素法として使用される基質や発色剤(ジアゾニウム塩)を知ることと、非特異的や特異的とされる所以を知ることも重要であります。

問題

CASE 1 ~ 4における細胞像を確認して1-7の細胞の同定を行って下さい。

1-1CASE 1

  • PB-MG×1000

1-2CASE 2

  • PB-MG×1000

1-3CASE 3

  • PB-MG×1000

1-4CASE 4

  • PB-MG×1000

CASE 5 は、骨髄像のエステラーゼ二重染色です。陽性細胞は何の細胞で染色に使用される基質は何ですか。またどの病型の診断に有効となりますか。

2-1CASE 5

  • BM-EST二重染色×1000

解答・解説

  • (PB-MG×1000)Case1
    case1
    (PB-MG×1000)Case2
    case2 (PB-MG×1000)Case3
    case3 (PB-MG×1000)Case4
    case4
  • (正解と解説)
    【正解】
    1. ① 骨髄芽球      2. ④ 桿状核球      3. ⑧ 単球
    4. ⑤ 分葉核球      5. ② 前骨髄球      6. ⑪ 多染性赤芽球
    7. ⑨ 前赤芽球

    【解説】 

    1.の細胞は骨髄芽球、7.の細胞は前赤芽球と同定しました。これらは各系統の最も未熟型ですが、細胞形態は異なり、前赤芽球の方が大きくなります。骨髄芽球の核網工(クロマチン網工)は、繊細網状で核小体が浮き出てみえますが、これはクロマチンが骨髄芽球の核小体の周囲を取り囲むために浮き出て見えるようです。また、前赤芽球の核小体は、中央にあるようで沈んで見えますが、骨髄芽球のような習性がないため、沈んで見えると言われています。尚、前赤芽球の核形は、ほぼ円形で細胞質は広くて好塩基性が特徴のようです。
    5.の細胞は前骨髄球と同定しました。ゴルジ野は不明瞭ですが、核の偏在性と広い細胞質は軽度の好塩基性と大型なアズール顆粒を豊富に含んでいます。2.の細胞は桿状核球と同定しました。3.の細胞は、2.と類似していますが大きく、核網工はやや繊細で灰青色の細胞質には微細なアズール顆粒が僅かに見られることから単球としました。また、4.の細胞は、分葉核球の核のくびれが見られることから分葉核球とし、6の細胞.は、多染性赤芽球と同定しました。



  • (BM-EST二重染色×1000)Case5
    case5
  • (正解と解説)

    【解説】

    CASE 5の1.の細胞は単球系細胞、2.の細胞は顆粒球系細胞と同定しました。エステラーゼ染色は、使用する基質の名称から命名されております。単球の染色にはα-ナフチールブチレートとα-ナフチールアセテートが用いられ、前者をブチレートエステラーゼ染色、後者をアセテートエステラーゼ染色と呼びます。また、顆粒球の染色には、ナフトールAS-Dクロロアセテートを用いてクロロアセテートエステラーゼ染色と呼んでいます。
    エステラーゼ二重染色には、ブチレートエステラーゼとクロロアセテートエステラーゼが用いられますが、二重染色の有効性はMG染色で顆粒球系と単球系が混在する急性骨髄単球性白血病(AML-M4)や慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの病型診断に有効です。



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