前 略
新しい年度が始まり、1ヶ月が経ちますがみなさまは如何お過ごしでしょうか。 さて、私が厚生省(当時)に採用されたのは、7年間の医療法人勤務の後、1976年 国立大阪病院研究検査科でした。九州の片田舎から意気込んで大都会に転進したわけですが、配属先は血液検査室となり、それからのキャリアの起点となりました。大阪病院では、毎日院内で勉強会が開催され、学会発表や論文活動が大変活発に行われておりました。当時の壮絶なバトル・ロワイヤルなスケジュールの一部をご紹介します。
To be continued !
草々
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
今回も骨髄の顆粒球系細胞の鑑別とPO染色の応用編です。顆粒球系の分化・成熟についてはDiggsら(1956)の血球の分化・成熟に伴う一般的原則に従って同定しましょう。そして細胞の大きさから核、細胞質所見に着目して同定を行ってください。
PO染色は、一般的に芽球が陽性所見を示しますが、真のPO染色陽性細胞と強陽性の細胞について考えてみましょう。
CASE 1 の細胞像を確認して 1 ~ 9 の細胞の同定を行ってください。
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
BM-MG×1000
CASE 2 骨髄のPO染色(ベンチジン法)において以下の設問に答えてください。
1)Aの細胞像1-3の中で芽球における真の陽性所見はどれですか。
2)BのPO染色陽性細胞1-2を同定してください。
Benzidine-base PO染色
Benzidine-base PO染色
骨髄像においては、前骨髄球(2)と前単球(6)の鑑別が大きなポイントになります。共に芽球から分化しており、類似しているのは当然です。また、細胞の大きさは同等ですが、核・細胞質所見は全く異なりますのでしっかり同定しましょう。
今回は、好酸球の幼若型(7;前骨髄球あたり)と成熟型(4;二分葉)を提示しましたが、幼若好酸球は骨髄球あたりから分類するのが普通です。また、ほかには分葉核球(1,3;好中性)、正染性赤芽球(8)、リンパ球(9)を提示しました。
PO染色における芽球の陽性所見(A)と好酸球の陽性態度(B)を提示しました。
(A)は、PO反応陽性の骨髄芽球の判定の設問です。
隣接する陽性細胞が芽球に重なった場合、すべてが陽性のように見えますが、芽球の真の陽性細胞は1.で、2.と3.の陽性所見は隣接する陽性細胞が重なってまるで陽性のように見えます。従いまして、1.が陽性、2.と3.が偽陽性となります。また、(B)は、顆粒球系の中でPO反応が最も強い好酸球を提示してみました。1.が幼若好酸球(前骨髄球あたり)、2.は好酸球となります。
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