第162回「郷里の文化祭に初参加して」2024年12月号

今月のコラム:郷里の文化祭に初参加して

2024年11月8~10日に開催された第37回「山香(やまが)ふるさとまつり」(大分県杵築市山香町)に初参加してきました。このイベントには、杵築(きつき)市山香町総合文化祭(第61回)が共催していて、文化祭には10年前から美人画(水彩)を展示していることから帰省をかねての初参加となりました。実家であるわが町も例外なく過疎化は進み人口は1万人を切っておりますが、年に1回のふるさと祭りに近郊からも参加されて杵築市役所山香庁舎“ふれあい広場” は賑わいをみせてました。

文化祭は山香庁舎の1階、2階、3階で開催され、一般では絵画、書道、木彫、陶芸、パッチワーク、俳句、生け花など124名、158点の傑作品が展示されていました。また、こども園や小・中学校からも多数展示されていて町ぐるみの取り組みが垣間見えました。

私は姉二人と男三兄弟であり、男三人は絵画を嗜んでおりますが、今回も長男は「南画」2点、次男「油絵」2点、三男の私は「美人画」3点を展示しました。展示会では、世話人の方や恩師の奥様にもゆっくりお話ができて学生時代を思い出すとともに想い出作りの文化祭となりました。

芸能発表会では、民踊、詩吟、大正琴、謡曲、日舞、コーラスなども楽しめました。グラウンドでは “ふれあい広場” として、出店や神楽、小唄、カラオケ、盆踊りなどの演技が繰り広げられ、子供たちのはしゃぐ声が響きわたり、自然豊かな地に心が癒される一瞬でした。

コロナ禍の影響もあり帰省するのは7年振りでしたが、これを機に来年の文化祭も展示する予定ですので墓参りも兼ね、幼少の想い出を思いしたいと思います。

  • 開催初日午前中の“ふれあい広場”、午後から賑わいをみせていました。
    (撮影:阿南.2024.11.8)


  • 文化祭の入り口 

  • 私の作品です。「冬椿」「花吹雪」「庭紅葉」の3点を出展しました。


  • 余談ですが、例年より遅く色づいた我が家の紅葉です。(糸島. 11月29日)



2024年11月号の問題.  下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。

【Q】 ローテーションで今年から血液室に配属されました。先日、末梢血に赤芽球が出現していて、リンパ球と間違って観察しておりました。リンパ球と赤芽球の鑑別法を教えて下さいますか。
【助言1】

リンパ球と赤芽球は別の系統であることから形態にも異なる点がみられます。骨髄のMG染色(下図)を参考に鑑別してみます。A.C.は多染性赤芽球で、B.Dはリンパ球です。
多染性赤芽球はクロマチンが粗大凝集状で細胞質は青紫色(多染性)、リンパ球は小型が対象となり、クロマチンが粗大粗剛で細胞質は青色(好塩基性)が特徴です。

【助言2】

多染性赤芽球にヘム合成障害による細胞質の狭小化(E)が起こると、リンパ球(矢印)との鑑別が困難なことがありますが、クロマチンの所見の違いがポイントになります。









    2024年12月号の問題.  
    下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。

    【Q1】 MCVが60~70ほどで小球性の患者さんの血液像について。
    RBCの大小不同、菲薄、楕円、標的など認められず、小型のRBCばかりの時は、どのような病態が考えられるのでしょうか。また追加検査など教えて頂きたいです。

    形態マガジン号キャプテン  阿南  建一

    MAPSS-DX-202412-12

    著作権について

    今回のねらい

    「細胞同定」については、骨髄像の同定に挑戦します。紛らわしい細胞を提示しましたので試みてください。
    「ワンポイントアドバイス」は、多染性赤芽球とリンパ球(小型)との鑑別について解説します。

    問題

    問題1

    1-1末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-2末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-3末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-4末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-5末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-6末梢血液像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    解答・解説

    問題 

    骨髄像の細胞同定を行ってください。

    【解説】

    A-1.直径14µm大、核は分葉し核糸を認めクロマチンは結節状、細胞質の顆粒は小さく二次顆粒とみなし分葉核球にしました。
    A-2.直径16μm大、細胞質は広く灰青色に微細顆粒を認め、核形不整でクロマチンは繊細のことから単球にしました。
    A-3.直径13µm大、細胞質は軽度好塩基性、核は軽度不整でクロマチンが粗剛であることからリンパ球にしました。

    B-1.直径14µm大、核は4個に分離し、クロマチンは凝縮が強く細胞としての形態から逸脱し、細胞質は橙紅色であることから好中球のアポトーシスを考えました。
    B-2.直径20µm大、核は分葉傾向でクロマチンは結節状、細胞質は橙紅色から分葉核球にしましたがサイズは大き目です。

    C-1.直径14μm大、全体像は好中球で、核の中央部(矢印)は分葉傾向にあるようでクロマチンの結節が強度のことから分葉核球にしました。
    C-2.直径22µm大、細胞質は豊富で好塩基性が強度で、核形不整を認めクロマチンが粗剛なことから異型リンパ球としました。

    D-1.直径13µm大、核糸を認め全体像から分葉核球です。
    D-2.直径15μm大、核は分葉し一部に核内切れ込みを認めクロマチンはやや粗剛、細胞質は灰青色で小さな空胞を認めることから単球にしました。

    E.直径18µm大、大型で細胞質は軽度好塩基性、顕著な空胞を認め微細顆粒を有し、核形不整は顕著でクロマチンはやや粗剛ですが全体像から単球にしました。形状は幼若というよりも成熟型と思われ、空胞も多いことは何らかの抗原刺激に反応して大型になったのかも知れません。

    F.直径23µm大、細胞質は豊富で一部を除き細顆粒が充満し、核は軽度不整でクロマチンは粗網状で核小体を認めるようです。単球に類似しますが、顆粒はやや大きめであることから異常の前骨髄球にしました。単一様式でPML::RARA融合遺伝子が証明され急性前骨髄球性白血病と診断されました。単球を否定するにはMPO染色で強陽性を確認することになります(単球は陰性から弱陽性)。末梢血で見逃してはいけない細胞でもあり骨髄検査で確認を求められます。

     

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