長崎県佐世保市にある「ハウステンボス」をご存知でしょうか? 開業から30年以上愛されているテーマパークで訪れた方も多いと思います。私は普段行く機会はほとんどないのですが、ゴールデンウィークに里帰りした東京の息子ファミリーを連れて15年振りに訪れました。
チューリップ祭(2024.2.9~4.7)の閉幕に近い4月1日に訪れましたが、まだまだカラフルに咲き誇るチューリップが迎えてくれました。「ハウステンボス」は、オランダ語で「森の家」を意味し、オランダの街並みを再現しヨーロッパ全体をテーマとしています。10万本ともいわれる華やかなチューリップは生演奏の優美な共演と相まって感慨無量なひとときでした。チューリップ畑で走る子供たちはまるで海外の絵画をみているような光景です。
花の街に足を運ぶとオランダ生まれの「ミッフィー」が迎えてくれます。日本最大のミッフイーのイベントが開催されていて、中学校最後の想い出作りにミッフィーファンの孫は初体験の絵付けに奮闘していました。
夕闇に包まれる頃になると、幅60mの滝からガーデン一面に広がるイルミネーションはフルカラーに変身し、色彩豊富な躍動感にあふれた光の世界を堪能できます。このイルミネーションは国際イルミネーションイベント部門の第一位に輝いているほどです。太陽の光に照らされたチューリップ畑は昼間と異なり、光輝く街並みとのコラボレーションは夜でしかみられない新たな魅力を醸し出していました。
このように、ハウステンボスでは毎年、ミッフィーのキャラクターをはじめ、季節ごとの花々、イルミネーション、花火を楽しめるイベントが組まれ、15年前と比べるとすっかり様変わりしていました。
息子ファミリーも満喫した1日になったようでしたが、私はというと慣れないテーマパークで25,000歩も歩き回わり、体力作りをはるかに超えるものでした。
7月5日から9月8日の間は、スペクタクルサマーフェステイバルというプロジェクションマッピングと音楽を取り入れたショーが開催されるそうです。この夏、素敵な想い出づくりをされるのも良いかと思います
2024年6月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 塗沫標本を作製した際に何度引いても気泡が入る検体がありました。中性脂肪、総コレステロール、LDLコレステロールが少々高値の他は基準値内でした。この原因と血液中に何が起こっているのでしょうか。この他にも末梢血塗抹時に起こる特殊な事象があればご教示いただけますでしょうか。 |
【助言1】 | 経管栄養管理における脂肪乳剤(イントラリポス)の投与が考えられそうです。それがどのように関わっているのかを文献から調べてみますと、脂肪乳剤点滴の速度にあるようです。通常は体重50kgの人で4時間をかける(0.1g/kg/h)そうです。実際には血中に入った脂肪乳剤の粒子はHDL(高比重リポ蛋白)からアポ蛋白を受け取り加水分解によって脂肪酸を生じます。そこに、投与速度が速いとHDLからのアポ蛋白の供給が間に合わずリポ蛋白が生じないため、過剰な脂肪粒子が血中に停滞してしまう可能性があるようです1)。従って点滴部位からの採血によって混入したものが考えられ、塗抹上の気泡は油滴が考えられそうです(A)。 |
【助言2】 | ほかに中心静脈栄養(IVH)の点滴部位からの採血によって、その接合部位に落下細菌(真菌など)が感染したことの経験はあります。点滴部位の採血は血液の希釈によって血算値にも影響しますので避けた方がよいかと思われます。また末梢血塗抹時に起こることでは、寒冷凝集が重度の場合に塗抹の始めは血液の塗布が悪く、引き終わりに集合しやすいザラザラ感があります(B)。 |
1)宮田剛 他:日本の現状における静脈栄養の適応と組成.医学のあゆみ 218(5),465-469, 2006
2024年9月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 好中性顆粒球の前骨髄球と骨髄球の鑑別がうまくいきません。典型的な場合は判りますが、そうでない場合によく混乱しますのでアドバイスをお願いします。 |
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
「細胞同定」については、骨髄像の同定に挑戦します。紛らわしい細胞や鑑別を要する細胞を提示しましたので試みてください。
「ワンポイントアドバイス」は、塗抹をくり返し作製しても気泡を認めました。その原因を探ってみました。
問題1
BM-MG.1000
BM-MG.1000
BM-MG.1000
BM-MG.1000
問題
骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】
A-1. 直径14µm大、核は円形でやや偏在傾向、クロマチンは粗剛で凝集塊状、細胞質は好塩基性が強度で核周明庭や空胞を認めることから形質細胞にしました。
A-2. 直径8μm大、核は円形で中心性、クロマチンは凝集状で細胞質は青紫色のことから多染性赤芽球にしました。
A-3. 直径11μm大?、細胞質は周囲の赤血球と隣接し大きさが不明で、核は類円形でクロマチンは濃染性のようでマクロの正染性赤芽球にしました。
A-4. 直径13μm大、核は湾曲しクロマチンは結節状で、外径と内径の比が3:1付近のことから桿状核球にしました。
B-1. 直径14µm大、核は類円形で偏在しクロマチンは粗網状、細胞質は好塩基性がまだら模様で顆粒は僅かに認めるようです。10時付近は赤血球と重なりやや小型ですが前骨髄球にしました。
B-2. 直径8μmで、核は円形でクロマチンは凝集状、細胞質は青紫色のことから多染性赤芽球にしました。
B-3. 直径15μm大、核は円形でほぼ中心性、クロマチンは顆粒状、細胞質は強度の好塩基性のことから好塩基性赤芽球にしました。
B-4. 細胞径12µm大、核はくびれてクロマチンは結節状、細胞質は橙紅色のことから分葉核球にしました。
B-5. 直径13μm大、核は偏在しクロマチンは粗剛、細胞質は好塩基性が薄れ少し赤味のことからら骨髄球にしました。
C-1,4. 直径13~14µm大、全体像から分葉核好中球でよろしいかと思います。
C-2. 直径17µm大、核は円形で中心性、クロマチンは網状、細胞質は辺縁に好塩基性が強いことから骨髄芽球にしました。
C-3. 直径9µm大、核は円形でやや偏在しクロマチンは凝集状、細胞質はやや好塩基性ですが大きさと核質所見から多染性赤芽球にしました。
C-5. 直径18µm大、核は軽度の不整でクロマチンは粗剛、細胞質は橙黄色で顆粒は小さく二次顆粒とみなし、大型であることから未熟骨髄球にしました。
D-1. 直径25µm大、核は類円形で中心性、クロマチンは粗網状、細胞質は軽度の好塩基性で顆粒は太く一次顆粒とみなし前骨髄球にしました。
D-2,4. 直径8~11μm大、核はほぼ円形でクロマチンは凝集状、細胞質は青紫色を呈していることから多染性赤芽球にしました。
D-3. 直径7µm大、核は円形でクロマチンは濃染性、細胞質は紫紅色とみなし正染性赤芽球にしました。
D-5. 直径15μm大、核は僅かに陥没しクロマチンは粗剛、細胞質は橙黄色で顆粒は小さく二次顆粒とみなし後骨髄球にしました。
D-6. 直径14µm大、核は分葉傾向でクロマチンは結節状、細胞質は橙紅色で顆粒は小さく二次顆粒とみなじ分葉核球にしました。
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