今回は、福岡発信の棒ラーメンをご紹介します。みなさまは、インスタント麺やカップラーメンを召し上がる機会があると思いますが、九州地区を中心に根強い人気があるマルタイ「棒ラーメン」をご存知でしょうか。
この「棒ラーメン」は、福岡が発祥で創業者 藤田泰一郎氏が、1947年(昭和22年)5月 福岡市高砂町(現.中央区高砂)で製めん業を起業したことから始まります。1958年(昭和33年) 連続ドラマにも取り上げられた日清食品「チキンラーメン」に遅れること約1年後の1959年(昭和35年) 中華めんの即席化に成功し、「即席マルタイラーメン」として発売され、即席棒状ラーメンの元祖と言われています。当地では、“味のマルタイ” として知られており、ノンフライ・ノンスチーム製法によるストレート麺は、その食感が生麺に近く、スープは、チキンとポークをベースにした風味豊かなあっさりとした醤油味です。また、最近では、オリジナルの味に加えて、ゴマ醤油味、辛子高菜風味、とんこつ味、醤油とんこつ味などが発売されていますが、私はオリジナルを好んで食べております。因みに、私は1947年大分生まれですので72年間をマルタイと共に歩んでいることになります。
ところで、このマルタイ「棒ラーメン」ですが、意外なところで人気があることをご存知でしょうか。「棒ラーメン」は、素麺と同じストレートタイプで持ち運びが容易で非常に軽いため、登山食として大変重宝されています。加えて、調理時間がとても短く、ゴミが少ないのも利点となっています。
あるネットのインスタントラーメン ランキングでは、1位 カップヌードル(シーフード)、2位 カップヌードル(オリジナル)、3位 サッポロラーメン(塩)となっており、残念ながら、我がマルタイ「棒ラーメン」は、トップ10にも入っていませんでした。でも、私にとっては、この「棒ラーメン」はなつかしくもあり、時々恋しくなるソウルフードの1つです。みなさまも一度召し上がって見ませんか。
福岡発信 のマルタイ「棒ラーメン」
わが家の“しだれ梅” にも春がやってきました。
(2020.2.撮影)
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
今回は、細胞同定と症例検討を提示しました。
細胞編は、骨髄像から類似細胞の鑑別に挑戦します。
症例編は、僅かな検査所見ですが、光顕的診断に至るまでの必要な検査や形態所見について考えて下さい。
芽球の形態所見に異型性がみられ、PO反応も注意するポイントかも知れません。
骨髄の細胞同定を行なって下さい。
BM-MG.1000
BM-MG.1000
BM-MG.1000
BM-MG.1000
この症例の形態所見から考えられる疾患は何でしょうか。
【10歳代.男児】 主訴:発熱、出血傾向
WBC47,900/μL、RBC205万/μL、Hb7.0g/dL、Ht21.5%、PLT6.3万/μL、NCC40.2万/μL
PB-MG.100
BM-MG.400
BM-MG.1000
BM-PO.1000
問題 1
今回は、骨髄像において顆粒球系と赤芽球系を中心とした細胞の同定に挑戦します。
【正答】
A-1.多染性赤芽球、2.多染性大赤芽球、3.4.前骨髄球、5.リンパ球、B-前骨髄球
C-1.4.多染性赤芽球、2.3.好塩基性赤芽球、D-1.7.多染性赤芽球、2.前骨髄球、3.分葉核球、
4.正染性赤芽球、5.後骨髄球、6.桿状核球
【解説】
A-1.細胞径12μm大、細胞質は多染性、円形核は同心円状で、クロマチン網工は凝集塊状により多染性赤芽球と思われます。2.細胞径15μm大、細胞質は多染性でやや豊富、円形核はクロマチン網工が凝集状により多染性大赤芽球と思われます。類似する巨赤芽球に比して、核の大きさはさほど大きくなく、核質が少し粗であることから大型としました。また、核の遺残物が封入体としてみられます。3.4.細胞径は16μm大、両細胞ともに頭頂部が赤血球の集団に押された感があり、本来ならもっと大きなものとイメージされ、クロマチン網工は顆粒状で一部に核小体を認め、アズール顆粒を有することから前骨髄球と思われます。5.細胞径9μm大、クロマチン網工は粗荒のようでリンパ球と思われます。
B.細胞径20μmの大型、核は比較的優位、クロマチン網工は均一で、顆粒は、好塩基性の細胞質と核の上にも存在します。本例は非腫瘍性の骨髄でしたので、芽球から分化した幼若な前骨髄球と思われます。
C-1.4.細胞径8~10μm大、細胞質は多染性、円形核はやや偏在傾向にあり、クロマチン網工は凝集塊状より多染性赤芽球と思われます。2.3.細胞径15μm大、細胞質は好塩基性が強く、円形核のクロマチン網工は凝集状のことから好塩基性赤芽球と思われます。
D-赤芽球系に着目しますと、1.7.細胞径9~12μm大、円形核はやや偏在性、クロマチン網工は凝縮状のことから多染性赤芽球と思われます。4.細胞径8μm大の小型、細胞質は正染性で、円形核は濃縮気味であることから正染性赤芽球と思われます。次に顆粒球系に着目しますと、2.細胞径20μm大、類円形核は偏在性、クロマチン網工は粗顆粒状で、好塩基性の細胞質の顆粒は低顆粒気味ですが、前骨髄球と思われます。5.核幅の短径が長径の1/3以上の長さにより後骨髄球、6.核は棒状を呈していることから桿状核球、3.核の分葉傾向から分葉核球と思われます。
問題 2
小児例で、発熱、出血傾向のため来院され、貧血、血小板減少、白血球増加を指摘され骨髄検査が施行されました。出血斑がみられ(下腿・腰部)、肝脾腫・リンパ節腫大は認めませんでした。
【解説】
(PB-MG.100)
(BM-MG.400)
(BM-MG.1000)
(BM-PO.1000)
A.[PB-MG.1000] 大型、核網工が繊細で明瞭な核小体を有する芽球が86%みられました。一部にアウエル小体も認めます。
B.[BM-MG.400] 骨髄は過形成で単調な増加がみられます。
C.[BM-MG.1000] 骨髄の芽球は94%と増加し、それらには大小不同がみられ、核形不整や明瞭な核小体、またアズール顆粒を認めます。芽球の一部には長いものや短いアウエル小体も認めました。
D.[BM-PO.1000] 増加する芽球のPO染色はほぼ陽性でした。また、PAS染色、EST染色は陰性でした。
【臨床診断】
末梢血や骨髄に増加する芽球は、アウエル小体を有し、PO染色が3%以上の陽性により骨髄芽球の増殖が考えられます。また、骨髄芽球は骨髄で90%以上を占めることからAML-M1が疑われます。
一方、芽球の形態は、大小不同がみられ、顕著な核形不整や明瞭な核小体、長・短のアウエル小体の出現、またPO染色の陽性率が高いことを考慮すると、8;21転座にみられる形態像として捉えることになるかも知れません。結局、後報告でt(8;21)(q22;q22.1)/RUNX1-RUNX1T1が証明され、特定の遺伝子異常を有するAMLのカテゴリーに分類されました。8;21転座AMLは、AML-M2に多くみられますが、稀にみられるM1では上述した形態所見が重要なポイントになります。
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