プロカルシトニンキット
アクセス PCT
敗血症の迅速で正確な診療に
はじめに
敗血症は、感染に対する全身性炎症反応であり、臓器機能障害を含む、生命を脅かす多くの状態を引き起こす可能性があります1。現代医学の進歩にもかかわらず、敗血症は依然として感染症による主な死亡原因であり、世界中で毎年推定530万人が死亡しています2。
プロカルシトニン(PCT)は116 個のアミノ酸からなる、カルシトニンの前駆体ホルモンです。健常人のPCTレベルは通常0.1 ng /mL 未満です3。炎症または細菌感染症患者では、PCTレベルは細菌の内毒素および炎症性サイトカインに反応して循環血液中で上昇します。PCTレベルは、細菌感染症の重症度および血液培養陽性の可能性と相関するため、敗血症(細菌性)の鑑別診断および重症度の判定の補助として、臨床的に有用なマーカーです1,4,5。
アクセス PCTの特長
〉既存方法との95%を超える全体的な一致を示します
重症敗血症および敗血症性ショックへの進行のリスクの確立されたカットオフ値を使用できます
〉測定範囲は0.01~100 ng/mLです
〉測定時間は約20分で、迅速な診断をサポートします
〉試薬は調製不要で、試薬パックひとつを装置に搭載するだけの簡単操作です
〉42日間のキャリブレーションカーブ安定性
結果の解釈
PCT濃度 (ng/mL) |
結果の解釈 |
< 0.5 | 重篤な敗血症又は敗血症性ショックのリスクは低い |
≧ 0.5~≦ 2.0 | 重篤な敗血症又は敗血症性ショックのリスクは中等度 |
> 2.0 | 重篤な敗血症又は敗血症性ショックのリスクは高い |
PCT濃度が0.5 ng/mL未満の場合、初期段階(< 6時間)の局所または全身性感染の可能性を排除できません。PCT濃度が0.5~2.0 ng/mLであれば、患者の病歴を考慮して判定してください。2.0 ng/mL未満の場合、6~24時間以内にPCTを再検査することを推奨します6。
なお、本法における健常者(n=202)のCLSIEP28-A3c7ガイドラインに従い求めた基準範囲上限95 パーセンタイル値は0.065 ng/mLでした。
精度
Sample | 総平均(ng/mL) (n = 80) |
併行精度 CV(%) |
室内精度 CV(%) |
総CV(%) |
QC1 | 0.68 | 1.9 | 2.1 | 3.6 |
QC2 | 2.15 | 1.9 | 2.6 | 3.2 |
QC3 | 20.65 | 1.6 | 2.6 | 3.2 |
Sample 1 | 0.090 | 3.2 | 2.7 | 5.6 |
Sample 2 | 0.18 | 3.2 | 1.7 | 5.6 |
Sample 3 | 0.27 | 2.8 | 1.0 | 4.4 |
Sample 4 | 0.43 | 2.6 | 3.3 | 5.7 |
Sample 5 | 1.41 | 2.8 | 2.4 | 5.0 |
Sample 6 | 7.59 | 2.3 | 1.6 | 4.2 |
Sample 7 | 76.31 | 2.3 | 2.3 | 3.8 |
試薬3ロット、キャリブレータ3ロット、および複数のキャリブレーションカーブを用い、CLSI EP05-A3ガイドライン8に基づく試験結果例を上に示します。
この試験は1日2回、2重測定で20日間、各サンプルにつき計80回測定されました。
アッセイの特徴
検体種 / 検体量 | 血清、血漿(ヘパリンリチウムおよびEDTA)/ 35 μL |
---|---|
キャリブレータ濃度 | 約 0,0.8,5,10,25,50,100 ng/mL(μg/L) |
測定範囲 | 0.01~約100 ng/mL、自動希釈機能:75.0~約1,000 ng/mL |
LoD(Limit of Detection) | 0.01 ng/mL(μg/L) |
LoQ(Limit of quantitation)(20%CV) | 0.02 ng/mL(μg/L) |
精度(Imprecision) | ≧ 0.150 ng/mL:≦ CV8%、< 0.150 ng/mL:SD ≦ 0.012 ng/mL |
測定時間(Time to first result) | 約20分 |
開封後試薬安定性(2~10℃) | 42日間 |
キャリブレーションカーブ有効期間 | 42日間 |
測定に必要な試薬
製品番号 |
製品名 | 内容 | 統一商品コード | 貯法* | 法区分 |
C22593 | アクセス PCT 試薬パック |
50テスト×2 | 4987 666 206693 | 2~10℃ | 体外診断用 医薬品 |
C22594 | アクセス PCT キャリブレータ |
7レベル×2.0mL×1 | 4987 666 206709 | 2~10℃ | 凍結乾燥品 |
*開封前
【参考文献】
- Wacker C, Prkno A, Brunkhorst FM, Schlattmann P. Procalcitonin as a diagnostic marker for sepsis: a systematic review and meta-analysis. Lancet Infect Dis 2013; 13(5):426–435.
- Fleischmann C, Scherag A, Adhikari NK, et al. Assessment of Global Incidence and Mortality of Hospital-treated Sepsis. Current Estimates and Limitations. Am J Respir Crit Care Med 2016; 193(3): 259-72.
- Maruna P, Nedelnikova K, Gurlich R: Physiology and Genetics of Procalcitonin. Physiol Res 2000; 49(Suppl1):S57–S61.
- Schuetz P, Bretscher C, Bernasconi L, and Mueller, B. Overview of procalcitonin assays and procalcitonin-guided protocols for the management of patients with infections and sepsis. Expert Rev Mol Diagn 2017; 17(6):593–601.
- Clementine YF Yap, Tar Choon Aw. The Use of Procalcitonin in Clinical Practice. Proceedings of Singapore Healthcare, 2014; 23(1): 33-37.
- Meisner M. Procalcitonin — Biochemistry and Clinical Diagnosis, ISBN 978-3-8374-1241-3, UNI-MED, Bremen 2010.
- Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI). Defining, Establishing, and Verifying Reference Intervals in the Clinical Laboratory; Approved Guideline—Third Edition. Wayne, PA: CLSI;2010. CLSI Document EP28-A3c.
- Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI). Evaluation of Precision of Quantitative Measurement Procedures; Approved Guideline—Third Edition. Wayne, PA: CLSI; 2014. CLSI Document EP05-A3.
※ 本ページに掲載されている情報は、医療関係者の方々を対象にしたものです。
関連情報
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