第33回日本臨床微生物学会総会・学術集会 ランチョンセミナー 5報告
- 共催
ランチョンセミナーは、「微量液体希釈法の徹底攻略~その解釈正しいですか?~」と題し、司会に株式会社エスアールエル学術顧問 山中喜代治先生、演者に天理医療大学 医療学部教授 小松方先生を迎えて、CLSI M07-A11最新版やMICテストとブレイクポイントテストの違いなどについて、大変わかりやすくご講演いただきました。
小松先生には、コロナ禍の状況でご多忙中にもかかわらず、リモートでご出演いただき、2021年12月23日にアップデートされたISO20776-2(第2版)の重要な変更点についても補足説明いただきました。
【ランチョンセミナー 5】 | |
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【日 時】 | 2022年1月29日(土) 12:15 ~ 13:15 |
【会 場】 | 第7会場(仙台国際センター展示棟1 階 会議室1・2) |
【演 題】 |
微量液体希釈法の徹底攻略 ~その解釈正しいですか?~ |
【座 長】 |
山中 喜代治 先生(株式会社エスアールエル 学術顧問) |
【演 者】 |
小松 方 先生(天理医療大学 医療学部 臨床検査学科) |
【要 旨】 |
2020年度の日本臨床検査技師会による微生物検査部門の精度管理調査によれば、国内検査室で実施している薬剤感受性検査の方法は1997年から微量液体希釈法の使用が急増し、2020年では96.7%を占めている。微量液体希釈法は米国CLSIのドキュメントM07に詳細な手技が記載されている。薬剤感受性自動機器に関連する試薬はM07の手法によって得られたデータと一定のルールに基づいて相関することが前提である。一定のルールとはCLSI M52に記載があるFDAが要求するASTキットの性能を満たす必要がある。この条件を満たさない菌種―薬剤の関係がある場合は、ユーザーに添付文書内で通知する必要がある。しかし、これは米国FDA申請が関係する事情であり、わが国での薬事申請にこの考え方は無い。昨今、様々な薬剤耐性菌が出現し、国内の機器を用いた個々に評価された論文が散見されるが、一律比較された論文は今のところ見つけることはできない。しかし、少なくとも個々の検査室においては薬剤感受性結果の真値が、自施設で使用している自動機器から得られた結果を反映しているかの真偽を常に念頭に置く必要がある。 微量液体希釈法の普及した大きな理由の一つに、MIC値が求められるといった点も大きい。ISO20776-2で定義されている薬剤感受性に関する用語について、MICとは in vitroで定義した時間における目視判定での最小発育阻止濃度と定義されている。さらに、MICは“MICテスト”と“ブレイクポイントテスト”のの2つの考え方がある。MICテストとは、少なくとも2n希釈で連続した5管のレンジをもって決定されるテスト、ブレイクポイントテストとはSIRを提供することを目的とした1~4管以内のレンジに限定されたテストである。日本臨床検査技師会による微生物検査部門の精度管理調査を見ると、上記二つの解釈が混在している集計となっている。 以上が微量液体希釈法の国内の現状であるが、このままでよいのでしょうか?当日、一度皆さんと一緒に考えたいと思います。 |
【整理券】 |
本ランチョンセミナーは整理券制です。 配布場所および時間: |
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