2014年05月09日
「第102回日本泌尿器科学会総会」報告ページを掲載しました。
- その他
神戸で開催された今年の泌尿器科学会では、初めて「ベックマン・コールター メモリアルレクチャー」として2演題の招請講演がありました。
まず、群馬大学の伊藤一人先生より、前立腺がんの新規マーカーとして注目される「proPSA」についての最新の研究成果のご紹介をいただきました。
さらに、オランダからDr. Monique J Roobolより、ヨーロッパでの研究成果に関して計算ツールの紹介なども含めた発表をいただきました。
ベックマン・コールターは、前立腺がんのマーカーである「PSA検査」のパイオニアとして、今後も研究活動をサポートしていきます。
【第102回日本泌尿器科学会総会 Beckman Coulter Memorial Lecture】 | |
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【日 時】 | 2014年4月25日(金)16:00~17:20 |
【会 場】 | 神戸ポートピアホテル 南館1階 ポートピアホール(第1会場) MAP |
【内容紹介】 | |
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【講 演】
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■ 招請講演7 16:00-16:40 『前立腺がんの新規マーカーの現状と展望』
現在、我が国で最も患者数の多い男性がんであり、また近い将来、罹患数でも胃がん、肺がん、大腸がんを抜き第1位になることが確実な前立腺がんは、早急に国家的な対策が必要であることは間違いない。前立腺がんの診断・治療システムの中でバイオマーカーである前立腺特異抗原(prostate specific antigen;PSA)は、これまで、がん罹患の予見因子、スクリーニング、がんの活動性の評価、適切な治療戦略決定、治療効果判定において極めて重要な医学的役割を担ってきた。PSA検査を用いた前立腺がんスクリーニング導入により、前立腺がん死亡率が大きく低下することが欧州の無作為化比較対照試験等で明らかになったが、がん死低下・転移がん進展抑制効果により優れ、費用対効果費が妥当な検診システムを確立することが重要である。そのためには、前立腺がん罹患の高危険群の同定、リスクに応じたPSA基準値・検診間隔の設定、精度の高い生検適応の絞り込みと生検手技、テーラーメイド治療戦略の確立など、我々が取り組むべき重要な課題は多い。将来の前立腺がんの検診・診断・治療システムは、より低侵襲な方向に進化していくべきであり、そのような見地からも、前立腺がんの新規バイオマーカーへの期待は大きい。 ■ 招請講演8 16:40-17:20 『Screening For prostate cancer:Data from ERSPC Rotterdam, secondary analysis and risk stratification.』
The first report of the European Randomized study of Screening for Prostate Cancer (ERSPC) appeared in 2009 showing PCa specific mortality reduction of 20% in favor of men randomized to the screening arm (S-arm). Two years later a 21% PCa mortality reduction with an increased level of significance after a median of 11 years of follow-up was found. After unblinding of the ERSPC trial the reporting of end point related results of the 8 individual centers was allowed. ERSPC Rotterdam identified a total of 88,283 men aged 54-74 years in the population registry and invited these men to participate. A total of 42,376 men responded (48%), and were randomized to the S-arm (21,210 men) or C-arm (21,166 men). After a median follow-up of 12.8 years systematic PSA based screening reduced PCa specific mortality by 32% in the pre-defined ERSPC core age range 55-69 yrs (Intention to screen analysis (ITS)). The roughly 2-fold higher incidence in the S-arm due to active screening and the positive predictive value of the prostate biopsy of 24% when applying a PSA cut-off of >= 3.0 ng/ml as indication for biopsy underlines the importance of tools to better identify those men who would benefit from screening. |