2013年11月08日
「平成25年度 日臨技北日本支部医学検査学会(第2回)」報告ページを掲載しました。
- その他
今年の開催日は「みちのくYOSAKOIまつり」と同日となり、仙台の街全体がお祭りムードのなかで、学会は行われました。
また、横浜で開催されていた日本臨床検査自動化学会第45回大会の最終日であったこともあり、来場者の減少が心配されましたが、学会には多くの方が来場されました。
弊社はランチョンセミナーと機器展示を行いました。
ランチョンセミナーでは、座長に小山田 一 先生(秋田大学医学部附属病院 中央検査部 技師長)をお迎えし、近年、患者数が増加が指摘されている前立腺がんの判断指標となっているPSA測定についてお話ししました。
会場は満席の盛況ぶりで、PSA測定への関心の高さを伺うことができました。
機器展示会場では、血球計数装置ユニセルDxH800を展示し、血液塗抹標本作製装置ユニセルDxH SMSと連動した実際の運用・操作方法をご紹介し、多くの方にお立ち寄りいただきました。
ありがとうございました。
- 日 時
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- 2013年
- 10月
- 13日(日)
- 11:45~12:45
- 会 場
- 仙台国際センター 第5会場 MAP
- 演 題
- PSA測定の現状と将来
- 演 者
- 森 和雄
ベックマン・コールター株式会社 ダイアグノスティックス学術統括部門 - 座 長
- 小山田 一 先生
秋田大学医学部附属病院 中央検査部 技師長 - セ ミ ナ ー
概 要 -
血中マーカーとしてのPSA測定の歴史は、Tandem-R PSA(ベックマン・コールター社製)キットが1986年に世界初のPSA測定キットとしてFDA(米国食品医薬品局)承認されたことから始まった。臨床利用としては、1994年Dr.CatalonaらがTandem-R PSAによる前立腺癌カットオフ値4.0ng/mLを発表した。この値は、臨床判断において現在も揺らぐことの無い前立腺癌の判断指標となっている。
前立腺疾患血中マーカーとして有用性の高いトータルPSAは、検診/診断や治療指標として用いられているが、前立腺癌鑑別において明確な指標になりえない。トータルPSA4~10ng/mLのグレイゾーンにおいて癌の可能性は平均25%であり、4人中3人が無駄な前立腺生検を実施したことになる。よって、前立腺癌診断効率を上昇させるためトータルPSAを上回る新規マーカーが待ち望まれている。
このような状況において、我々はPSA前駆体であり前立腺癌でより多く分泌されるproPSAに着目した。数種存在するproPSAの中でも、PSAよりも2アミノ酸配列の多い[-2]proPSA測定キット(以下p2PSA)の開発に着手し、完成した。現在、国内外において試薬性能の研究検討を実施中である。当日は、PSA測定によって得られた成果と問題点、新規前立腺疾患マーカー測定キットp2PSAについて発表を行う。