2013年07月05日
「ヘマトロジー講演会 in Sapporo 2013」報告ページを掲載しました。
- その他
快晴の講演会日和となった札幌にて今年のヘマトロジー講演会in札幌は開催されました。
第一部では東京大学 常名政弘先生に、血球計数装置のスキャッタ情報を利用した異常検体の捉え方について、DxHのスキャッタープロットをご提示いただきながら、具体的なわかりやすい内容で解説をいただきました。
また、第二部の埼玉医療センター 木崎昌弘先生には、代表的な造血器腫瘍においての診断と治療について、最新の分子標的療法の情報を交えて血液専門医のお立場からご講演いただきました。
講演の最後には臨床医が期待する検査技師の役割や参加者に対するメッセージなどもいただき、とても有意義な講演会となりました。
本年も大変多くのお客様にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
- 日 時
- 2013年6月7日(金)
18:30~21:00(18:00受付開始) - 会 場
- 札幌コンベンションセンター 特別会議場 MAP
札幌市白石区東札幌6条1丁目 - お問合せ先
- TEL : 03-6745-4704 / 0120-566-730
E-mail : bckk_seminar@beckman.com - Webお申し
込み締切日 - 2012年6月5日(水)
- お申し込み
- 申込み締め切りました。ありがとうございました。
- 講 演
-
第一部
『日常検査における血球計数情報の活用
-あなたはスキャッタ情報を確認していますか?-』
- 【 演 者 】
- 常名 政弘 先生(東京大学医学部附属病院 検査部)
日常検査において、血液疾患の診断は血球計数値、末梢血液像や骨髄像による形態学的診断、ならび細胞表面マーカー検査、遺伝子・染色体検査、生化学・免疫検査などによって総合的に判断される。その中で、これらの疾患の第一発見者は、概して血球計数情報を確認している血液検査の担当技師である。血液担当者は、日常業務において血球計数装置の測定原理を十分に理解し、臨床病態を把握することによって臨床支援が可能となり得る。
本講演会では、血球計数装置からの測定値やスキャッター情報を把握し、生化学・免疫検査結果を含めて導き出される異常検体の捉え方を、現場の担当技師の立場から紹介する。第ニ部
『造血器腫瘍に対する分子標的療法の現状と展望
-分子病態から見た治療選択-』
- 【 演 者 】
- 木崎 昌弘 先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)
造血器腫瘍に対する治療の基本は、抗がん剤による化学療法である。造血器腫瘍の治癒を目指すためには腫瘍細胞を完全にゼロにするまで根絶しなくてはならないとする“total cell kill”の概念のもとに、これまでも数種類の抗がん剤による強力な多剤併用化学療法が行われてきた。しかしながら、造血器腫瘍の分子病態の解明が進み、その成果が分子標的療法として治療へも応用される時代となった。慢性骨髄性白血病(CML)に対するイマチニブをはじめとするチロシンキナーゼ阻害剤はCMLの治療戦略を根本から変えたのみならず、治療成績を大幅に向上させた。高齢者に多く治癒の難しい造血器腫瘍として認識されていた多発性骨髄腫にも、サリドマイドやプロテアソーム阻害剤が導入されるようになった。造血器腫瘍の治療は、抗がん剤治療から新たな分子標的治療薬により治癒を目指す時代に突入している。造血器腫瘍の治療成績向上のためには、分子病態を正しく理解するとともに的確な診断が必要である。本講演では、骨髄系腫瘍と多発性骨髄腫を中心に、形態学的な診断に加えて、最近の分子病態解析研究の進歩とともに治療の現状と展望について概説したい。