第9回東京都医学検査学会 機器・試薬セミナー報告
2013年2月17日(日) 東京 東医健保会館
- 共催
「臨床検査の可能性」をテーマとした今回の学会では、日本人女性初の宇宙飛行士 向井千秋さんのご主人で、医師の向井万起男先生(慶應義塾大学病院)による「イチローから進化を考える」と題した公開講演なども行われ、学会場には多くの方が来場され、盛り上がりを見せていました。また、血液の一般演題では、血液が固まった際に使うボルテックス攪拌についての有用性の検証についてなど、興味深い発表が多数あり、盛況の様子でした。
ベックマン・コールターの機器・試薬セミナーでは、コールター原理から60 年の技術集積を基に開発された血球計数装置ユニセルDxH800と、新たに発売された血液塗抹標本作製装置ユニセルDxH SMSの基本性能を紹介させていただきました。また、バージョンアップ等による新たなリサーチパラメータについてお話しさせていただきました。ご来場いただきまして、ありがとうございました。
- 日 時
- 2013年2月17日(日)14:45~15:15
- 会 場
- 東医健保会館 3階 会議室(第3会場) MAP
- 演 題
- ユニセルDxH 800/SMS の紹介と今後の展望
- 演 者
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- 栗本 昌宏
- ベックマン・コールター株式会社
ダイアグノスティックス学術統括部門
- 講 演 内 容
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コールター原理から60 年の技術集積を基に開発されたユニセルDxH800 と、新たに発売されたDxH SMSの紹介ならび今後の展望についてお話させて頂きます。
ユニセルDxH800 は、Transforming the Hematology をコンセプトに、高品質データの提供、効率的なサンプル処置、画期的なシステム拡張性による血液検査のワークフローを大きく変革する装置としてコールターテクノロジーと最新の細胞分析技術、そして革新的な装置設計によって生まれました。また、従来の自動白血球分類測定にNRBC チャンネルが加わり、新開発VCSnテクノロジーへと進化しております。VCSnは半導体レーザーと新型フローセルを搭載したマルチトランスデューサで、細胞体積・細胞内部構造・5 種類のレーザー散乱光情報による7 種類の測定パラメータを用いて、正確な細胞解析とフラッキングを行います。7 種類の測定パラメータそれぞれには、4 種類のパルス形状特性がデジタル変換され、さらに計測時間を加えた合計29 種類のマルチパラメータで細胞解析が行われます。
新しい解析情報としては、表面プロット(Surface Plot)やCPD(Cell Population Data)など特徴的な解析技術があります。NRBC は新たな専用チャンネルで行い、Diff チャンネル同様にスキャッタープロットと表面プロットの2 種類で表示され、NRBC、血小板、白血球などの細胞ポピュレーションが明瞭に分離され、解析精度の向上が行われています。NRBC は、専用試薬は必要とせず、追加の試薬管理の必要がありません。
ユニセルDxH SMS は、標本作製能力は140 枚/時間(最大)と高処理に加えてヘマスフィアテクノロジーにより検体の性状を直接分析して、検体測定情報を必要としない塗抹標本染色作製装置です。検体毎に最適な塗抹条件を設定でき、作製される血液塗抹標本は、スメアセッティング機構により、長さ・厚み・引き終わり形状・血液滴下量・滴下位置をカスタマイズすることが可能で、それぞれの検査室にマッチした良質な塗抹標本を作製できます。また、フロスト部に直接印字される検体情報も、印字内容や印字位置をカスタマイズでき、標本作製の終了時間もそれぞれに表示されます。
今後の展望については、バージョンアップ等による新たなリサーチパラメータの可能性についてご紹介させて頂きます。