2016年7月12日掲載
CBC 測定の単位
項目 | SI単位 | 慣用単位 |
---|---|---|
RBC | 1012/L | 106/μL,104/μL |
Hb濃度 | g/L,mmol/L(Fe) | g/dL |
WBC | 109/L | 103/μL,102/μL |
MCV | fL | μm3、fL |
MCH | pg,fmol(Fe) | pg |
MCHC | g/L,mmol/L(Fe) | g/dL |
PLT | 109/L | 103/μL,104/μL |
海外、特にハワイやアメリカに行ったときに物の単位で悩んだことは誰でも経験しているかと思います。レンタカーを借りるとメーターはマイル(1.6km)単位。制限速度の標識もマイルだから何とかなるのですが、ここでkmに換算していると交通事故の元になったりします。ガソリンスタンドもリッターではなくガロン(3.785L)。また、スーパーで缶ビールや瓶詰めなどを買おうとしても見慣れない記号が書いてあります。Ibパウンド(454g)やozオンス(28g)です。単位が異なると勘違いの元となり、大きな間違いの原因にもなったりします。(パウンド、ポンド雑学:メソポタミア地方で大麦1粒の重さを元にグレーンが定められ、その倍量単位としてポンドが定められた。人が1 日に消費する食糧としての単位)
CBC測定は、各血球の細胞算定が基本ですから、計算間違いは無いのですが、単位の表示方法が異なることがあり、桁数の勘違いの元になります。
上記が国内のCBCのSI単位と慣用単位ですが、DxHで選択できるCBCの単位を見ると、US単位やSI単位など複数の単位が世界で使われていることがわかります。検査室で使われている単位がどういったものなのか、また、臨床に報告されている単位は何なのかをしっかり記憶していくことは勘違いや間違いの防止に重要です。医師会や技師会などの精度管理サーベイにおいてもこの単位の確認が大切なのは言うまでもありません。
Parameter | US-1 | US-2 | JAPAN | SI-1 | SI-2 | SI-3 | SI-4 | SI-5 | SI-6 |
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WBC | 103/μL | 103/μL | 102/μL | 109/L | 109/L | 103/μL | 109/L | 109/L | 109/L |
RBC | 106/μL | 106/μL | 104/μL | 1012/L | 1012/L | 106/μL | 1012/L | 1012/L | 1012/L |
HGB | g/dL | g/dL | g/dL | g/L | g/L | g/dL | mmol/L | g/L | g/L |
MCH | pg | pg | Pg | Pg | pg | pg | fmol | pg | pg |
MCHC | g/dL | g/dL | g/dL | g/L | g/L | g/dL | mmol/L | g/L | g/L |
PLT | 103/μL | 103/μL | 104/μL | 109/L | 109/L | 103/μL | 109/L | 109/L | 109/L |
※ここに表示されている単位が同一でもその他の単位が異なっているためUS、SI単位は複数あります。
CBC測定の標準化
CBC検査は、臨床化学や免疫検査などのように酵素活性や測定物質の濃度測定ではなく、細胞数の計測、カウントを基本としています。生化免疫検査では、測定方法や標準物質を定め、検査(結果)の標準化に努めています。しかし、CBC検査は、血球を分別して細胞数を算定する項目であり、測定対象は生物学的試料のため、化学物質を基とする生化学免疫検査のように、標準物質の作製やCRM(認定参照標準物質)の供給ができません。そのため、ISLH(International Society for Laboratory Hematology)やCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)では、参照法を定義して標準化を進めていくとしています。その中でISLH の作業部会であるICSH(International Council for Standardization in Haematology)が現在中心となって各種の血液検査の標準化を進めています。また、標準化の手前である各種のガイドラインはこのICSHのホームページで公開もされています。
http://icsh.org/guidelines/(公開されているガイドライン例)
DxHにおけるトレーサビリティ
下表はDxH におけるCBC測定の参照法とトレーサビリティ体系図です。WBC/RBCは、測定原理はコールター原理ですが、基準測定器にCoulter Zシリーズが使用されています。ヘモグロビンはシアンメトヘモグロビン法です。近年では白血球分類法や血小板計測、網状赤血球の算定にはフローサイトメトリーを用いた計測が用いられるようになりつつあります。また、ベックマン・コールターの血球計数装置は、校正物質(S-CAL)を使用し、自動校正を行うことでデータの正確性が機種間差無く伝わるようにしています。
項目 | 方法 | 基準参照法 |
---|---|---|
Hb | HiCN法 (シアンメトヘモグロビン法) |
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Ht(PCV) | Microhematocrit法 (遠心ヘマトクリット法) |
|
RBC | Glass chamber法 シングルチャンネル電気抵抗法 |
ICSH. Reference method for the enumeration of erythrocytes and leukocytes. Clin Lab Haem. 16. 131-138.1994. |
Plt | Phase contrast RBC/Platelet Ratio法 (RBC/Plt 比法) |
|
WBC | Glass chamber法 シングルチャンネル電気抵抗法 |
ICSH. Reference method for the enumeration of erythrocytes and leukocytes. Clin Lab Haem. 16. 131-138.1994. |
Ret | New methylene blue/ Miller disc method |
ICSH/NCCLS. Method for Reticulocyte Counting(Flow Cytometry and Supr avit al Dyes);Approved Guideline H44-A. 1997. |
自動白血球分類 | 目視法 | NCCLS. Reference Leukocyte Diff erential Count(Proportional)and Evalua tion of Instrumental Methods. H20-A. 1992. |
UniCel DxHシリーズ コールターセルラーアナリシスシステム
製造販売届出番号:13B3X00190000038
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