2011年8月21日掲載

ベックマン・コールター三島事業場「ビジョンセンター」

Vol.6新センターを三島事業場内にオープン

日本から国際共同研究を支える高品質ラポラトリー

ベックマン・コールター三島事業場「ビジョンセンター」新センターを三島事業場内にオープン

ベックマン・コールターは、三島事業場に同社の歴史、製品、学術活動、社会貢献などの活動を展示した「ビジョンセンター」を開設した。同社はビジョンセンターのオープンを契機に、製造・開発機能や、同社が支援する国際共同研究の中核ラボとなっている「レファレンスラボ」などをさらに活用し、様々な活動を行う考えだ。6月30日にはビジョンセンターの開所式が開かれ、関係者へのお披露目が行われた。

ビジョンセンター内部ビジョンセンター入口

三島事業場は、同社の日本国内の製造・開発拠点であり、品質・環境対応を強く推進している。同社の自動分析装置の導入を検討する医療関係者や、分析装置を導入し研修を受ける検査技師、三島事業場の活動に興味を持つ地域住民など、日々多くの関係者が訪れる同事業場では、“魅せる事業場”をモットーに、様々な取り組みを意欲的に行っている。
今回、開設したビジョンセンターには、同社の最新鋭の機器が居並ぶ。生化学・免疫学・血液学からフローサイトメトリーに至る幅広いラインアップを“実際に見て、触って、理解していただける”展示になっているという。また、通路には、同社が取り組む社会貢献、研究支援、教育活動、学会活動がパネルで展示されており、ベックマン・コールターの活動の一端を理解することができる。

ビジョンセンター開所式で、テープカットが行われた
ビジョンセンター開所式で、テープカットが行われた

国際共同研究の中核ラボとして評価

今回、ビジョンセンターを開設したことで、三島事業場は分析装置の開発・製造部門、研究支援などを行うレファレンスラボ、顧客の研修を行うトレーニングラボ、製品展示スペースといった機能を備えた。同社は、これらの多彩な機能を活用し、グローバルに活動する企業の強みと、三島で培った高い日本品質をうまく融合させることで、様々な形で学術貢献、顧客支援を果たしたいという。
現在、レファレンスラボは、国際臨床化学連合(IFCC)やアジア太平洋臨床生化学連合(APFCB)などが共同で進める「臨床検査値の地域差分析と共有基準範囲の設定」に参画。セントラルラボとして、日本やアジア諸国で採取した検体の測定を一手に引き受けており、測定データの精度の高さが国際的な評価を受けている。同社は、こうした実績を基に「検査のプロである医療従事者が当社製品を使用すれば、さらに高品質な検査データを測定できる」と話す。

三島の高品質な測定システムに感謝状

APFCBから感謝状が贈呈
APFCBから感謝状が贈呈

ビジョンセンターの開所式では、国際臨床病理センターの河合忠所長や、旭川医科大臨床検査医学の伊藤喜久教授が祝辞を寄せた。伊藤氏は「国際的に標準化が進むと同時に、分析装置、試薬メーカーの競争が激化する中で、国際的なサーベイは様々な意味で大きな影響を持つ」と指摘。その上で「世界に冠たる測定システムが三島事業場にあるのは、我々にとっても非常に勇気づけられることだ」と述べた。
このほか開所式では、IFCCやAPFCBなどの国際共同研究に対するベックマン・コールターの協力に対し、APFCBのジョセフ・ロペス前会長、同科学委員会の市原清志委員長から感謝状が贈られた。

左から市原氏、河合氏、伊藤氏 右はベックマン・コールター学術統括部門長 渡邉氏
左から市原氏、河合氏、伊藤氏、 右はベックマン・コールター学術統括部門長 渡邉氏

  • 国際共同研究、全世界で展開へ

    市原氏
    市原氏

    ビジョンセンターの開所式に先立ち、山口大大学院医学系研究科の市原清志教授は、国際臨床化学連合(IFCC)などが共同で進める「臨床検査値の地域差分析と共有基準範囲の設定」調査について講演した。市原氏は、日本とアジア地区に限定して行っていたこれまでの調査を発展させ、全世界で展開する調査(第4次調査)の計画を紹介。臨床検査医学におけるトレーサビリティ合同委員会(JCTLM)と連携し、世界共有基準範囲の作成を目指す考えを示した。
    対象項目は、酵素、脂質、電解質、免疫などの標準化対応項目を基本とし、参加施設などの提案を受けながら決定する。また、CAシリーズやFT3、FT4などメーカー測定値間差の大きな項目、脂質分画のように不安定な物質、血漿を用いる検査は除外する予定。参加国はイギリス、アメリカ、インド、中国、トルコなどで、参加施設は3500~4000程度になる見込み。
    今回の調査では、ベックマン・コールター三島事業場だけでなく、地域ごとに複数の中央測定施設を設置する必要があることから、測定値の互換性を実証するため、健常者80人分のパネル血清を用いた測定試験を実施した。
    市原氏は、アメリカやトルコなどの中央測定施設で測定したデータとベックマン・コールター三島事業場の測定データを紹介。その上で「ベックマン・コールターの測定データは、他の施設の測定データと比較しても非常に精度が高い」と指摘した。

(The Medical & Test Journal 2011年8月21日 第1167号掲載)

PDF版ダウンロードはこちら

MAPSS-MKT-202106-1000

これから先のページでは、医療関係者の方々を対象に医療機器・体外診断薬等の製品に関する情報を提供しております。当社製品を適正に使用していただくことを目的としており、一部の情報では専門的な用語を使用しております。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

医療関係者の方は、次のページへお進みください。
(お手数ですが、「進む」ボタンのクリックをお願いします)