2018年9月11日掲載

Vol.7慢性骨髄性白血病 CML

Case history

白血球増加のため、代謝内科より対診となる。

細胞形態

3血球系統の細胞に異形成は認めず。Myeloid 系の出現率は81.2% と増加し、Eosinophilic. 6.8%、Basophilic. 2.6% と増加がみられる。


診断および解説

症例は66歳、女性。慢性甲状腺炎(橋本病)で当院の内分泌内科に通院中であったが、2013年10月の血液検査にて白血球増多症と血小板増多症を指摘された。その後経過観察されていたが、2014年1月の血液検査にてWBC 25.4×109/L、PLT 630×109/L と異常高値となり、当院の血液・膠原病内科を紹介受診となる。
末梢血液像にて骨髄球 4.0%、後骨髄球 4.7%、好塩基球 10.6% と、幼若顆粒球と好塩基球の増加を認めた。
骨髄検査では有核細胞数36.3×104/µL、巨核球数243/µLと増加を認めた。またMyeloid系の出現割合が81.2%と過形成像を呈し、Eosinophilic. 6.8%、Basophilic. 2.6%と好酸球や好塩基球の増加もみられ、好中球アルカリフォスファターゼ活性が46と低下がみられた。
染色体検査ではG-band法でt(9;22)(q34;q11.2)、FISH法で好中球bcr/abl融合シグナルを認めた。また遺伝子検査にてMajor bcr/abl mRNA 定量が626copy/µg <と高値であった。
以上のことからWHO 分類よりChronic myelogenous leukemia(CML) と診断された。
※ WHO分類2016 改定よりChronic “myeloid” leukemia に記述が変更されています。



測定情報の解説

WBC数高値、WBCヒストグラムは顆粒球領域の比率が高いパターンを示しています。
NE%高値、メッセージは顆粒球系の芽球、幼若顆粒球が表示されており、リサーチ項目ではEGCが高値を示してます。
また、DIFF-図aのNE集団は上方に伸展しており、NRBC-図g, hでは右側面にピークが認められることから、顆粒球系の幼若細胞の出現が示唆され、目視所見と一致したプロット図となっています。



RUO(Research Use Only): リサーチ項目
診断用項目でありません。

注:同一症例において、同様な結果が得られるとは限りません。

(データ提供:近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)

UniCel DxHシリーズ コールターセルラーアナリシスシステム
製造販売届出番号:13B3X00190000038

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