2018年7月12日掲載

Vol.6成熟B細胞性腫瘍 B-CLL

Case history

他院の血液検査で白血球増多を認め、白血病疑いで紹介受診。

細胞形態

骨髄・末梢血ともに小~中型でN/C 比やや大、成熟リンパ球様の核網で、一部に核型不整や切れ込みを有する。

*1:末梢血で観察したリンパ球と異常細胞の比率  *2:異常細胞の特徴とその比率
*データ提供ご施設により、「エビデンス血液形態学」(阿南建一、亀岡孝則、他著、近代出版、2014)を参考にして本症例の形態的特徴が数値化されています。


診断および解説

症例は64歳、女性。2012年1月に近医より子宮頸部細胞診にて異常が認められたため、他院の婦人科を紹介受診。術前検査の血液検査でWBC 82.8 × 109/Lと白血球増多を指摘され、当院の血液・膠原病内科を紹介受診された。
受診時当院の血液検査においても、WBC 87.0 × 109/L、末梢血液像にて成熟リンパ球を89.7%認めた。
骨髄検査では、有核細胞数13.33 × 104/µL と増多がみられ、末梢血液像と同様、小~中型でN/C比がやや大きな成熟小リンパ球類似の細胞を87.0%認めた。
フローサイトメトリー解析にてCD5 -、CD10 -、CD19 +、CD20 +、CD23 -であった。CD5とCD23が両方-であったが、WHO分類でMature B cell neoplasm : Chronic lymphocytic leukemia(B-CLL) と診断された。
尚、提示データは、診断から約2 年を経過し、WBC 233.8 × 109/Lと急激な白血球増多を認め、化学療法目的で入院した時点の結果である。



測定情報の解説

WBC数は23万以上と高値、RBC数,HGB,PLT数は低値を示しています。
白血球分類はNE5.8%低値、LY92%と異常高値で形態異常を示すメッセージが数種類表示されています。
Diff-図aではLY領域からMo領域に広がりをみせるポピュレーションが確認できますが、表面プロットのDiff-図c,dではLY領域の下方にシングルピークの山として認められます。
RET-図の青色プロット集団は、主にWBCの小型細胞を捉えており、表1:末梢血の異常細胞の特徴と同様に小型細胞増多が考えられます。



RUO(Research Use Only): リサーチ項目診断用項目でありません。

注:同一症例において、同様な結果が得られるとは限りません。

(データ提供:近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)

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