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症例16

年齢 50歳代
現病歴 約2年前右乳癌(充実腺癌)の診断、定型的に右乳房切除術(根治手術)が施行される.
化学療法として、MMC、Cyclophosamideが行われた.約2年後血液検査の異常から骨髄穿刺が施行された.
血液学所見 WBC(/μl) 700 RBC(万/μl) 211
Hb(g/dl) 7.7 Ht(%) 22.7
PLT(万/μl) 4.5 MCV(fl) 107.6
MCH(pg) 36.5 MCHC(%) 33.9
血液像(%) Blast 9, Seg 31, Ly 60
Fbg 171 mg/dl, FDP 67.3μg/ml
AT-V 131%, α2-PI 75%
骨髄所見 NCC(万/μl) 8.4 BM-MgK 0
Blast様(%) 97  

 
[末梢血×1000.MG染色
芽球様細胞は核形不整で微細顆粒がみられる.
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[骨髄×400.MG染色
芽球様細胞は濃染性で核形不整がみられる.
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[骨髄×1000.MG染色
芽球様細胞はアウエル小体を認める.
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[骨髄×1000.MG染色
核形不整で、濃染性の核には豊富な顆粒がみられる.
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[骨髄×1000.PO染色
芽球様細胞はPO染色に強陽性である.
形態学的、PO染色所見により病的な前骨髄球が考えられる.
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解説&臨床診断



 正解 : 1 治療関連急性骨髄性白血病(M3様)

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年齢 50歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 汎血球減少症に伴う芽球様細胞の出現は、核形不整があり、異常な顆粒を有するものもみられる.骨髄系は示唆されるがPO染色で確認を要する.
骨髄所見から 骨髄では、単一様式から白血病を考え、芽球様細胞は核偏在性で蕾 (bleb,bud)状の細胞質がみられる. 大型細胞は25μm大におよび、豊富な細胞質には異常な顆粒や束状のアウエル小体 (faggot)を有する.
形態学的には病的な前骨髄球を考え、PO染色の陽性態度やDIC所見を考える.
細胞化学所見から 芽球様細胞はPO染色に細胞質一面に強陽性を呈し、病的な前骨髄球を思わせる.
【形態診断】 病的な前骨髄球が優位であることより、前骨髄球性白血病が考えられ、初診が右乳腺原発の腺癌より、二次性に発生した二次癌すなわち二次性白血病が考えられる.
〜後発信〜
分子生物学的から 46,XX,t(15;17)(q22;q12)
PML/RARαgene (+)
【臨床診断】 約2年経過後、光顕的ならびに二次性 (治療関連性)白血病が考えられる. 初診後、定型的右乳房切除術 (根治手術)を施行され、化学療法としてMMC100mg静注、cyclophosamide100mg経口投与された. 約2年経過後、光顕的ならびに分子生物学的に前骨髄球性白血病と診断された.
WHO分類 急性骨髄性白血病 Acute myeloid leukemia
☆治療関連急性骨髄性白血病 AML, therapy related


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