成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL/L)の臨床病型と形態像
ATL/Lの多発地域は、日本では西南部(九州,沖縄,四国など)で、世界では カリブ海、南米、中央アフリカなどがあげられます。症状は皮膚症状、リンパ節腫脹、肝腫、脾腫、骨髄、末梢血などの全身臓器にみられます。
成人T細胞/リンパ腫(ATL/L)は、4つの病型(急性型、慢性型、くすぶり型、リンパ腫型)と1つの病態(急性転化)に分けられます。くすぶり型ATLは末梢血に出現する比率が少ないことに注意します。
診断には、@濃染状の歪な核形不整、ACD4陽性のヘルパーTの性格、B高LD血症、高Ca血症、C抗HTLV-T抗体陽性、D皮膚病変、リンパ節腫大などが重要な所見です。
【急性型 acute type】 ・白血球数増加・リンパ球数増加 ・リンパ節病変・節外病変あり ・脳回転状・花弁状核のATL細胞 |
|
【慢性型 chronic type】 ・リンパ球数増加(4,000/μL 以上) ・T-リンパ球数増加(3,500/μL 以上) ・小型で濃染状の核形不整なATL細胞 ・LDH:正常の2倍以上 |
|
【くすぶり型 smoldering type】 ・リンパ球数4,000/μL 未満 ・異常T-リンパ球5% 以上 ・高カルシウム血症 ・皮膚浸潤 |