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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
 造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜

成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL/L)の臨床病型と形態像

ATL/Lの多発地域は、日本では西南部(九州,沖縄,四国など)で、世界では カリブ海、南米、中央アフリカなどがあげられます。症状は皮膚症状、リンパ節腫脹、肝腫、脾腫、骨髄、末梢血などの全身臓器にみられます。 成人T細胞/リンパ腫(ATL/L)は、4つの病型(急性型、慢性型、くすぶり型、リンパ腫型)と1つの病態(急性転化)に分けられます。くすぶり型ATLは末梢血に出現する比率が少ないことに注意します。
診断には、@濃染状の歪な核形不整、ACD4陽性のヘルパーTの性格、B高LD血症、高Ca血症、C抗HTLV-T抗体陽性、D皮膚病変、リンパ節腫大などが重要な所見です。

【急性型 acute type】
・白血球数増加・リンパ球数増加
・リンパ節病変・節外病変あり
・脳回転状・花弁状核のATL細胞
【慢性型 chronic type】
・リンパ球数増加(4,000/μL 以上)
・T-リンパ球数増加(3,500/μL 以上)
・小型で濃染状の核形不整なATL細胞
・LDH:正常の2倍以上
【くすぶり型 smoldering type】
・リンパ球数4,000/μL 未満
・異常T-リンパ球5% 以上
・高カルシウム血症
・皮膚浸潤


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