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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
 造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜

成熟B細胞性腫瘍

末梢血に出現する病型は特徴的な形態を示すことがあり、表現型の陽性パターンを認識することになります。
(A〜D.は末梢血、E.は骨髄)

A.慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
A.慢性リンパ性白血病
小リンパ球性リンパ腫
(CLL/SLL)

B.前リンパ球性白血病(PLL)
B.前リンパ球性白血病
(PLL)
C.ヘアリー細胞白血病(HCL)
C.ヘアリー細胞白血病
(HCL)
D.ろ胞性リンパ腫<br>(FL)
D.ろ胞性リンパ腫
(FL)
E.マントル細胞リンパ腫<br>(MCL)
E.マントル細胞リンパ腫
(MCL)

  • A.末梢血リンパ球>5,000/µL
    CD19, CD20(dim), CD22(dim), CD5, CD23, IgM/IgD (dim)
    (dim:発現が弱い)
    [ポイント]正常リンパ球との鑑別が困難なためリンパ球に分類して持続性増加の場合は表現型を検索します。
  • B.末梢血リンパ球>100,000/µL
    CD20, CD22, FMC7, IgM±IgD
    巨脾
    [ポイント]形態は核形不整や明瞭な核小体が特徴です。
  • C.毛状突起(目玉焼き状)のリンパ球
    CD11c, CD22, CD103(+)
    [ポイント]へアリー細胞は強制乾燥標本では目玉状を呈するが、へアリーを確認するには自然乾燥標本で確認します。
  • D.核形不整のリンパ球
    BCL2, CD19, CD20, CD22(+)
    t(14;18)(q32;q21)
    [ポイント]形態は核中心への切れ込みが特徴です。
  • E.核円形〜核不整のリンパ球
    CD5, BCL2, cyclin D1(+)
    [ポイント]表現型はCLLと類似することもあるが、形態では僅かな核形不整がみられることがあります。


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