白血球形態異常の判定基準と報告法
「血液像にこのような所見があるから、こういった疾患が考えられる」(故 小宮悦三先生.訓)の名言が残されていますが、まさに形態診断の出発点であることを強調しているようです。
造血三血球(系統)の異常については上述した所見を参考にしながら、血球計数装置の数的データ、スキャッタグラムを参考にして下記要領で同定記載する。
- 1.赤血球形態はどう捉える?
- 1)形態異常を掴む.
@大きさの変化、A染色性の変化、B形状の変化、C赤血球内構造(封入体)の変化、D赤血球の集合. - 2)形態変化を記載する.(例:−・1+・2+・3+)
@大きさ・染色性、A多染性赤血球の増減、B奇形赤血球の有無、C封入体の有無etc - 2.白血球形態はどう捉える?
- 非腫瘍性は白血球の増減が、腫瘍性は異常(病的)細胞の識別がポイントである.
- 1)白血球の増減を掴む.
@好中球、Aリンパ球、B単球、C好酸球、D好塩基球の増減 (絶対数評価). - 2)形態異常を捉える.
@退行性変化、A核成熟不全、B成熟障害、C先天性異常、D反応性と腫瘍性の識別. - 3)異常(病的)細胞の報告
光顕的限界付近の同定可能なもの以外については、“other”にて処理しコメントを記入する. - 3.血小板形態はどう捉える?
- 1)採血ミスや抗凝固剤(EDTA)による凝集の確認が重要である。
- 2)形態異常を捉える.
@大小不同、A大型血小板・巨大血小板、B異型性 (アズール顆粒の消失、奇怪)、C凝集