2)赤芽球の異形成 dyserythropoiesis
赤芽球系の異形成でカテゴリーAは環状鉄芽球のみが採用されていますが、カテゴリーBとして核周囲不整、核間橋、核融解像、多核、空胞、巨赤芽球変化があげられています。
巨赤芽球については、特に悪性貧血(巨赤芽球性貧血)などでもみられるため、MDSに特異的ではないとしてカテゴリーBに含まれているようです。経験から、巨赤芽球については、核のDNA合成障害やDNAの断裂・分裂障害で起こるもので、MDSでは核融解像がみられ、それはアポトーシスが推察されます。確固たる判定基準はありませんが、全般に大型で細胞質に合致しない核の遅延としてスポンジ様のクロマチンが特徴のようで、それは多染性巨赤芽球でみつけやすいようです。巨赤芽球様変化と巨赤芽球性変化は使い分ける必要があり、前者は原因が不明な場合に、後者は原因が追跡できた場合(ビタミンB12や葉酸欠乏)に使用することも一法かと思われます。