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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第1部 
 形態観察の基礎知識

染色液の組成と色素の特性を述べます。

染色液の組成 成分
  • ギムザ(Giemsa)液
  • ライト(Wright)液
  • メイグリュンワルド液(May-Grunwald)
メチレンブルー,メチレンアズール, エオジン, グリセリン, メタノール
メチレンブルー, エオジン, グリセリン, メタノール, 炭酸水素Na
メチレンブルー, エオジン(エオジン酸メチレンブルー),メタノール
色素の特性
  • メチレンブルー(Methylene blue)
    チアジン系の塩基性色素で陽性に荷電し、細胞内の酸性物質(核のDNA,RNA,蛋白成分)を青色の色調に染める。また好塩基性の顆粒も染めるがメタクロマジーをおこして青紫色となる。
  • メチレンアズール(Methylene Azur)
    アズールブルーともいわれ、メチレンブルーが酸化されて生じたチアジン系の塩基性色素で核のクロマチン、細胞質のアズール顆粒を紫赤色に染め出す。いわゆるRomanowsky効果*である。
  • エオジン(eosin)
    酸性色素で陽性に荷電し、細胞質内の塩基性物質(ヘモグロビン、好酸性顆粒)を朱色に染める。
  • メチレンブルー・エオジン(Methylen blue eosin)
    メチレンブルーとエオジンの各水溶液混合して得られた脂溶性の中性色素で、好中性顆粒を赤褐色ないし紫紅色に染める。

*Romanowsky(ロマノフスキー)効果:単に青色や赤褐色のみでなく多種の色調が得られることをいう。
  Romanowsky (露.1891):染色の改良とマラリア原虫を染め出した原虫学者.


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