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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第1部 
 形態観察の基礎知識

骨髄塗抹標本から以下の問題が発生しましたが、どのように対処しますか。

  • 骨髄穿刺標本で造血細胞の減少がみられますが、真の低形成として報告してよろしいですか。

    骨髄検査には骨髄穿刺と骨髄生検があります。
    通常は骨髄穿刺が行われ、@真の低形成とA偽りの低形成を判定することになります。
    @は骨髄における構築細胞(非造血細胞:細網細胞,組織球,形質細胞)などの間質系細胞の存在を確認すれば真の低形成像と解釈します。
    Aは採取ミスや多量吸引による末梢血の混入が考えられます。
    しかし、@であっても低形成の最終確認は骨髄生検にて証明されます。
    本例 (A) は間質系細胞が未確認であったため末梢血の混入が大いに考えられます。
    対照として(B)は間質系細胞の僅かな固まりと多くの脂肪成分が みられることより真の低形成が考えられます。
    しかし、骨髄生検の結果が優先されます。

  • 骨髄穿刺標本が2枚しかなく、特殊染色の依頼から標本枚数がたりないのですが。

    2枚の標本を4枚にする工夫をおすすめします。
    工業用ダイヤモンドペンにて定規をあて標本を横に分割します(右図)。
    染色後は分割した標本同士をラベルで貼り1枚に戻します。



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