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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第1部 
 形態観察の基礎知識

血液塗抹標本を観察中に以下の問題が発生しましたが、どのように対処しますか。

  • 白血球数が300/μLです。100個カウントできそうもありませんが。

    材料が残っていれば数枚の塗抹標本を作製しその合計をもって100カウントします。
    材料が残っていない場合は主治医と相談の上50カウントしてコメントします。

  • 血小板数が3.2万/μLですが、塗抹上は正常のようにみえますが。

    偽性血小板減少症が考えられます。@血小板同士の凝集、Aフイブリン糸に血小板のまつわりや、B白血球に血小板が付着していないかを検索します。そして確認できれば再採血を依頼し再検査を行います。

  • 赤血球数が700万/μLの多血症のようですが、通常の塗抹法では塗抹が短くなるのですが。

    通常の角度(30度)を少し下げてゆっくり引き伸ばします。
    この手法は骨髄穿刺液や白血球数の著増などの場合に有効です。

  • 白血球数が25,000/μLで血液像にて赤芽球(有核赤血球)が43個みられました。
    白血球数はこのまま報告してよろしいでしょうか。

    有核赤血球は白血球に認識されますので、白血球数は上乗せしてカウントされますので下記の補正が必要になります。本例の真の白血球数は17,482/μL になります。

         分画算定の白血球数 (100個中)
    真の白血球数 =  自動機器の白血球数 × 
    (17,482/μL) (25,000/μL)  分画算定の白血球数+赤芽球数
           (100)   (43個)


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