HOME > 血液検査コーナー > 検査技師のためのマンスリー形態マガジン > Q10 解説と解答

検査技師のためのマンスリー形態マガジン

Q10. 骨髄像の細胞同定を行って下さい。 解答と解説

拡大して解答を見る
   
拡大して解答を見る 拡大して解答を見る
   

選択細胞
1 骨髄芽球
2 前骨髄球
3 骨髄球
4 後骨髄球
5 桿状核球
6 分葉核球
7 前赤芽球
8 好塩基性赤芽球

【ねらいと解説】 

AとCは芽球同志の鑑別、DとEは分化成熟に伴う顆粒球系(好中性)の鑑別がねらいです。細胞の鑑別には血球に伴う一般的原則を念頭において、細胞周期に注意を払い、こと細やかに観察していきます。すなわち、以下の観察がポイントになります。
@細胞の大きさ、A核の形状と位置、Bクロマチン構造、CN-C比、
D核小体の有無と大きさ、E細胞質の色調、F顆粒、G封入物の有無、H突起物など。
1) AとC(特徴が優先する順から)
細胞の大きい方はA、核の形状が円形で核中心性はA、クロマチンの繊細さはC、N-C比は共に80%以上、核小体の明瞭さはC、細胞質の好塩基性が強いのはA、顆粒は共に認めず、舌状の突起はAにみられます。
以上より、共に異なるものであり、Aは前赤芽球、Cは骨髄芽球になります。
Bはクロマチンの結節がみられ、分葉しているかどうか不明なので分葉核球と思われます。
2) DとE(特徴が優先する順から)細胞の大きさはD、核の偏在性はD、クロマチンの繊細さはD、核小体を認めやすいのはD、細胞質の好塩基性が強いのはD、顆粒は共に大きいようです。
顆粒を除けばDは前骨髄球、Eは骨髄球になり、Eの大きな顆粒については二次性に発生したもの(中毒性顆粒など)と解釈すれば結論はでるようです。

【解答】

A: 7, 前赤芽球
B: 6, 分葉核球
C: 1, 骨髄芽球
D: 2, 前骨髄球
E: 3, 骨髄球

【正解率】

A: 75%
B: 25%
C: 100%
D: 70%
E: 65%

 

形態マガジンTOPへ戻る
「症例10 解答と解説 」 を見る→



 

ページトップ