症例9 10歳代.女児 RBC311万/μl, Hb 5.0g/dl, Ht 17.4%,
血液像と骨髄像のMG染色所見から考えられる疾患は何でしょうか。 解説と解答
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選択するもの | |
1 | 正常 |
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2 | 球状赤血球症 |
3 | 巨赤芽球性貧血 |
4 | 鉄芽球性貧血 |
5 | 鉄欠乏性貧血 |
【ねらいと解説】
血算値に血小板の記載がありませんでしたが、血小板は15.7万/μlと正常でした。
貧血から赤血球恒数を計算しますと、MCV 55.9fl、MCH 16.0pg、MCHC 28.7%より小球性低色素性貧血がうかがえます。末梢血や骨髄像に異常細胞の有無を確認して、有る場合は白血病などの腫瘍性疾患を疑い、無い場合は小球性低色素性貧血に相当する疾患を考えます。
後者には鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア、感染症や癌などが含まれます。
【末梢血液像の所見】
小球性低色素性貧血をうかがう赤血球形態に大小不同、小球性、菲薄赤血球や奇形などの形態異常を認めます。異常細胞は認めませんでした。
【骨髄像の所見】
正形成像の骨髄は、M-E比が0.75でやや赤芽球が優位で、それらには成熟段階がうかがえます。
形態学的にはスライドのような細胞質が狭い(狭小化)ものが多くみられました。
これはヘモグロビンの合成異常と思われ、特に鉄欠乏性貧血にみられる特徴的な形態と思われます。
鉄染色では鉄顆粒を有する赤芽球(可染鉄)が見当たらず鉄不足をうかがえるものでした。
異常細胞は認めませんでした。
【診断に必要な他の検査所見】
血清鉄の減少、UIBCの増加、フエリチンの低下など。
【解答】
5. 鉄欠乏性貧血 (10歳の女児ですが、過剰のストレスや偏食によるものが原因とされた例です)