2018年4月11日掲載

Vol.5急性単球性白血病 AML M5b

Case history

2012年他院にてAML M5bと診断され化学療法にて寛解。その後、HLA一致ドナーによる移植を施行され生着するが、7ヶ月後に末梢血にて再発が確認された。

細胞形態

末梢血・骨髄ともに中~大型で、N/C比 小~大、核網繊細で核小体が認められ、またAuer小体が極少数認められた(顆粒無しBlast 60.3%、顆粒有りBlast 16.0%(骨髄中))。

※今症例の鏡検時、単芽球から前単球の形態的特徴を比率で表示。
*データ提供ご施設により、「エビデンス血液形態学」(阿南建一、亀岡孝則、他著、近代出版、2014)を参考にして本症例の形態的特徴が数値化されています。


診断および解説

症例は40歳、女性。2012年6月に帯状疱疹で近医受診。経過観察中に血液検査にて白血球増加と血小板減少が認められたた め、他院を紹介受診となる。他院にてAcute monocytic leukemia(AML M5b) と診断され、IDR( イダルビシン)、Ara-C(シタラビン)で寛解療法後にCR(完全寛解)となる。地固め療法としてAra-C、MIT(ミトザントロン)を施行される。その後、妹をドナー(FULL マッチ)としてBU(ブサルファン)、CY(サイクロフォスファミド)で同種骨髄移植を行った。移植後Day14で生着確認し、明らかなGVHDの出現なく、2013年3月にCYを中止される。
同年4月、末梢血に芽球の増加を認め、DLI(ドナーリンパ球輸注)とDNR(ダウノルビシン)、Ara-C、HYAra-C、IDR、VP-16 の投与を施行するが効果を認めなかった。
2014年1月、骨髄バンクドナーによる一座ミスマッチの同種骨髄移植施行目的で、当院の血液・膠原病内科に紹介入院となる。
当院の血液検査にてWBC 5.4 × 109/L、RBC 3.20 × 1012/L、Hb 9.3g/dL、PLT 36 × 109/Lと貧血と血小板減少を認め、末梢血液像にて単芽球~前単球相当の異常細胞が76.0% 認められた。
異常細胞の形態は、中型~大型で、N/C 比やや小~大、明瞭な核小体を有する核網繊細な細胞であり、一部にAuer 小体を認めた。骨髄中においても同様の異常細胞が76.3% を占めており、α-NB Esterase 染色が10%弱陽性であった。また遺伝子検査にてFLT3-ITD 変異が陽性であった。
Acute monocytic leukemia(AML M5b)( WHO 分類)の移植後の再発、異常細胞の残存と診断された。



測定情報の解説

DIFF-図a、WBC ヒストグラムからMO領域に細胞集団を多く示していることが確認できます。
全体的に小型~大型のMO である可能性が示唆されます。
表面プロット図(c,d,g,h )は、2-D データプロット図で認識できない細胞を定性的に判読することが可能です。図c,d青丸は幼若細胞(芽球)を示唆しています。



RUO(Research Use Only): リサーチ項目診断用項目でありません。

注:同一症例において、同様な結果が得られるとは限りません。

(データ提供:近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)

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