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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
 造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜

報告書は的を得たもので簡潔にまとめ報告する !

図18

報告所見例
年齢・性別 55才 男性
末梢血所見から 白血球(3,540/μL)の血液像にて芽球様細胞が2%みられた。
骨髄所見から 骨髄は正形成であり、M/E比は0.42と赤芽球が優位である。
異形成としては、顆粒球にペルゲル様核異常や脱顆粒が、赤芽球系に強い。
核融解と巨赤芽球様変化がみられる。巨核球系にはさほど異常はみられない。
芽球様細胞は6〜7%である。形態異常は10%以上にみられる。
細胞化学所見から 赤芽球はPAS染色に陰性、Fe染色で環状鉄芽球を20%認める。
骨髄系はPO染色に偏りの陽性(部分的陽性)がみられる。
【形態診断】 骨髄にて芽球様細胞が10%以下(6〜7%)、二系統の形態異常が各系に10%以上みられた。環状鉄芽球が15%以上みられた。しかし、芽球の割合が5%を超えることで芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB-1)に分類して、環状鉄芽球の出現は併発所見として解釈した。
染色体所見から    44,XY,der(1)(q21),add(4)(p16),-5,del(7)(q22q32),del(16)(q13),add(17)(p11)
・・・11/20 cells
43,idem,-dic(15;20)8p11;q11・・・1/20
45,X,-Y・・・1/20 cells  46,XY・・・7/20 cells
【臨床診断】 二系統の形態異常が強く、骨髄の芽球が5%以上あることが優先であり、それに環状鉄芽球が併発したものと考えMDSのRAEB-1と診断された。
AraC+IDR療法を施行し、部分寛解へ導入されたが、入院11ヶ月後、食道がんを合併した。MDSの治療は継続されたが、食道がんの治療は拒否された。
MDS期からAMLへ移行され、入院16ヶ月後、感染症併発し、肺炎が増悪し腫瘍死(AML転化)された。
WHO分類 骨髄異形成症候群 Myelodysplastic syndromes
☆芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB-1)・・・環状鉄芽球を伴う
Refractory anemia with excess blast(RAEB-1) with ringed sideroblast

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